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サルのコントラリアン意思決定の行動・神経基盤解明

計画研究

研究領域コントラリアン生物学の創生:逆張り戦略がもたらす新しい社会均衡のしくみ
研究課題/領域番号 23H03842
研究種目

学術変革領域研究(B)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅲ)
研究機関関西医科大学

研究代表者

石井 宏憲  関西医科大学, 医学部, 助教 (30636676)

研究分担者 倉岡 康治  近畿大学, 医学部, 講師 (10581647)
永野 茜  国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 基礎科学特別研究員 (50823019)
長谷川 拓  国立研究開発法人理化学研究所, 脳神経科学研究センター, 研究員 (90713256)
研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2025年度)
配分額 *注記
48,360千円 (直接経費: 37,200千円、間接経費: 11,160千円)
2025年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2024年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2023年度: 16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
キーワードコントラリアン / 意思決定 / サル / 採餌 / 社会性 / あまのじゃく / 逆張り
研究開始時の研究の概要

動物にとって群れの形成は様々な恩恵をもたらす一方で、仲間との資源競争を激化させるジレンマを抱える。本領域では、集団の皆とは異なる行動を取るコントラリアンの発生が競争激化をリバランスする重要な役割を担う可能性に着目した。サル班では巨大ケージを用いてコントラリアン行動を生み出す要因を網羅的に探索する集団Y字実験と、バーチャル環境にて他者とコントラリアンの行動戦略の関係性をパラメトリックに評価するMultiplayer Gambling game実験を実施し、サル特有の高度で多彩な意思決定におけるコントラリアンの行動原理の解明を目指す。

研究実績の概要

動物にとって群れの形成は様々な恩恵をもたらす一方で、仲間との資源競争を激化させるジレンマを抱える。本領域では、集団の皆とは異なる行動を取るコントラリアンの発生が競争激化をリバランスする重要な役割を担う可能性に着目した。サル班では巨大ケージを用いて行う集団採餌にて直接的な社会的な相互作用を中心にコントラリアン行動を生み出す要因を網羅的に探索する集団Y字実験と、バーチャル環境・非コンタクト環境にて他者とコントラリアンの行動戦略の関係性をパラメトリックに評価するMultiplayer Gambling game実験を実施し、サル特有の高度で多彩な意思決定におけるコントラリアンの行動原理の解明を目指す。初年度である2023年度では行動実験系の開発を進めた。集団Y字実験系では、巨大プレイケージを用いた実験設備を完成させ、実際に最大3頭のマカクザルによる同時採餌行動を行わせた。サル達の行動は設置された8台のカメラによって解析した。具体的には価値の異なる餌への選択行動を定量化することにより、1)単独での探索・搾取行動や2)他のサルと同時に採餌する際の行動変化を調べた。また、深層学習を応用し、マカクザル1頭の場合の行動状態を自動的に推定するアルゴリズムの開発も行った。Multiplayer Gambling game実験系では2頭のサルの訓練およびいくつかの探索的な予備実験を行った。その結果サルの意思決定もヒトと同じようには他者の選択に影響されることが分かってきた。サルは仮想の対戦相手に対し、1対1のプレイでは相手をフォローする行動を示したが、対戦相手が2体となるとコントラリアン化するケースがあることが観察されている。さらにこの影響は対戦プレイヤーのageによっても違いが見られた。二年度目ではより行動実験系を洗練させるとともに、新規にサルを導入・訓練し再現性や個体差の確認を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本計画研究では巨大ケージを用いて行う集団採餌にて直接的な社会的な相互作用を中心にコントラリアン行動を生み出す要因を網羅的に探索する集団Y字実験と、バーチャル環境・非コンタクト環境にて他者とコントラリアンの行動戦略の関係性をパラメトリックに評価するMultiplayer Gambling game実験を実施し、サル特有の高度で多彩な意思決定におけるコントラリアンの行動原理の解明を目指す。初年度である2023年度では行動実験系の開発を進めた。集団Y字実験系では、巨大プレイケージを用いた実験設備を完成させ、実際に最大3頭のマカクザルによる同時採餌行動を行わせた。サル達の行動は設置された8台のカメラによって解析した。具体的には価値の異なる餌への選択行動を定量化することにより、1)単独での探索・搾取行動や2)他のサルと同時に採餌する際の行動変化を調べた。また、深層学習を応用し、マカクザル1頭の場合の行動状態を自動的に推定するアルゴリズムの開発も行った。Multiplayer Gambling game実験系では2頭のサルの訓練およびいくつかの探索的な予備実験を行った。その結果サルの意思決定もヒトと同じようには他者の選択に影響されることが分かってきた。Multiplayer Gambling gameは他者と高報酬と低報酬のどちらかを選択し合う選択課題である。他者と選択が重複すると報酬量は1/Nで分配される。つまり相手の動向(人気)に応じて選択を変えることが求められる。期待値よりも過度に大報酬を避けた場合はコントラリアン、逆に大報酬に固執した場合はフォロワーとなる。サルは仮想の対戦相手に対し、1対1のプレイでは相手をフォローする行動を示したが、対戦相手が2体となるとコントラリアン化するケースがあることが観察された。さらにこの影響は対戦プレイヤーのageによっても違いが見られた。

今後の研究の推進方策

二年度目ではより行動実験系を洗練させるとともに、新規にサルを導入・訓練し再現性や個体差の確認を行う予定である。行動実験の確立した後は、実験を継続的に実施し、環境(報酬量・入手確率)や集団構成(個体の組合せや仮想相手の行動特性)を一定期間固定することで個や集団の行動戦略の経時的な変化を調べる。行動実験が順調に進捗した場合、年度の後半ではコントラリアン行動に関連すると思われる候補脳領域を経頭蓋超音波刺激と化学遺伝学的操作によって不活性化する実験および神経活動を計測する実験の準備を進める予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2025-06-20  

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