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細胞内3D環境のマルごとシングルショット計測技術の開発と応用

計画研究

研究領域マルチスケール4D生物学の創成
研究課題/領域番号 23H03845
研究種目

学術変革領域研究(B)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅲ)
研究機関広島大学

研究代表者

杉 拓磨  広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (70571305)

研究期間 (年度) 2023-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2024年度)
配分額 *注記
38,610千円 (直接経費: 29,700千円、間接経費: 8,910千円)
2025年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2024年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2023年度: 12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
キーワードライトフィールド / FLIM / 4D生物学 / ライトフィールド顕微鏡 / 蛍光寿命イメージング
研究開始時の研究の概要

本申請者は、3D空間をたった1度のカメラ撮影でスキャンレスに共焦点顕微鏡の1,000倍以上高速でナノ分解能撮影するLF顕微鏡を開発した。さらに、この独自の高分解能LF顕微鏡はデコンボリューション処理など計算負荷の高い処理なく高分解能なため、ミリ秒以下で3D像を再構成する。本研究では、このLF顕微鏡に対し、細胞内環境をラベルフリーに計測可能な技術である蛍光寿命イメージング法(FLIM)を組み合わせ、たった1度のカメラ撮影で細胞内環境をマルごとシングルショット4Dイメージング可能なLF-FLIMを開発し、神経機能の低下機構の解析に応用することを目的とする。

研究実績の概要

本研究では周波数ドメイン方式のFLIMを採用し、これを独自のライトフィールド顕微鏡と統合することを目指す。目的の蛍光寿命が数ナノ秒の場合、それよりも少し長い周期をもつ正弦波(例:80 MHz = 周期12.5ナノ秒)で試料を励起する。蛍光寿命は蛍光分子が励起されてから蛍光を発するまでの時間であることから、励起光に比べ、蛍光寿命の分だけ蛍光の位相は遅れる。また、蛍光寿命が長いと、後の励起光により発光した成分と平均化されることになるため、振幅も小さくなる。したがって、励起光に対する蛍光の遅れをカメラで各画素ごとに検出することにより、位相遅れと変調を記録できる。そこで、まずカメラ感度の変調が40MHzまで可能なPCO社のCCDカメラと連続波レーザーとその変調器を用い、FLIM光学系の構築し、高分解能LF光学系を統合する。高分解能LF顕微鏡ではマイクロレンズアレイを利用することが特徴である。このマイクロレンズアレイを通して、撮影した二次元ライトフィールド(L F)像にはxy平面上の位置座標だけでなく奥行き(z軸)方向の位置座標も埋め込まれているため、1回のカメラ撮影で取得したLF像から独自の三次元再構成アルゴリズムによりミリ秒以下の速度で3D像の再構成が可能である。したがって、このマイクロレンズアレイをFLIM光学系のカメラセンサーの前段に配置する。これにより得られた蛍光寿命情報を三次元的に1回のカメラショットで取得可能になると期待した。結果的には、高分解能LF光学系の構築に成功し、さらにFLIM用カメラを導入するに至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

独自の高分解能LF光学系が完成し、FLIM用カメラを導入したため。

今後の研究の推進方策

令和5年度構築の光学系を用いて、まず蛍光寿命が既知の蛍光粒子を3D空間に固定した試料の蛍光寿命イメージングを行う。通常、三次元試料としてはアクリルアミドに蛍光粒子を固定した試料を用いるが、アクリルアミドの乾燥による縮小により長期間の利用が難しい。そこで申請者はポリジメチルシロキサン(PDMS)空間に蛍光粒子を固定することにより、長期間、繰り返し利用可能な三次元試料を開発した。本提案でもこの独自の三次元試料を用い、その蛍光寿命が既知の数字と一致するかを検証する。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Caenorhabditis elegans transfers across a gap under an electric field as dispersal behavior2023

    • 著者名/発表者名
      Chiba Takuya、Okumura Etsuko、Nishigami Yukinori、Nakagaki Toshiyuki、Sugi Takuma、Sato Katsuhiko
    • 雑誌名

      Current Biology

      巻: 33 号: 13 ページ: 2668-2677.e3

    • DOI

      10.1016/j.cub.2023.05.042

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] The Large-Scale Cultivation of Nematodes to Study Their Collective Behaviors2023

    • 著者名/発表者名
      Imamura Ryuki、Nakane Yurina、Jiajing Hu、Ito Hiroshi、Sugi Takuma
    • 雑誌名

      Journal of Visualized Experiments

      巻: 1 号: 198 ページ: 10-10

    • DOI

      10.3791/65569

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Development and application of 4D light-field and quantum imaging technologies2023

    • 著者名/発表者名
      Takuma Sugi
    • 学会等名
      Biomedical Imaging and Sensing Conference(BISC)
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] コンピュテーショナル4Dイメージング技術の開発と応用2023

    • 著者名/発表者名
      杉拓磨
    • 学会等名
      第32回日本バイオイメージング学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 高分解能ライトフィールド顕微鏡による リアルタイム三次元多粒子追跡技術の開発"2023

    • 著者名/発表者名
      今村 隆輝, 臼杵 深, 片岡 直也, 杉 拓磨
    • 学会等名
      第32回日本バイオイメージング学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] 生体内4D 量子温度イメージング技術の開発と応用2023

    • 著者名/発表者名
      中根有梨奈、前岡 遥花、五十嵐 龍治、臼杵 深、杉 拓磨
    • 学会等名
      第32回日本バイオイメージング学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] ライトフィールドイメージングが拓く4D生命科学の世界2023

    • 著者名/発表者名
      杉拓磨
    • 学会等名
      生理研研究会「極限環境適応」
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] コンピュテーショナルイメージングが拓く4D生命科学の世界2023

    • 著者名/発表者名
      杉拓磨
    • 学会等名
      第六回形態解析ワークショップ
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 招待講演
  • [備考] 杉研究室ホームページ

    • URL

      https://takumasugi.com/

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-13   更新日: 2025-04-17  

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