研究領域 | メタアグリゲートの超分子挙動と動的キャプチャー |
研究課題/領域番号 |
23H03851
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研究種目 |
学術変革領域研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
矢吹 悌 熊本大学, 発生医学研究所, 准教授 (70756121)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
27,820千円 (直接経費: 21,400千円、間接経費: 6,420千円)
2024年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2023年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
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キーワード | α-シヌクレイン / アミロイド / メタアグリゲート / グアニン四重鎖 / 細胞間伝播 / RNA 相転移 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢化の本国において、アルツハイマー病やパーキンソン病に代表される神経変性疾患が増加の一途をたどっている。神経変性疾患の病態原因である『アミロイド』の病原性獲得による凝集体形成と、それに続く細胞間伝播メカニズムは未解明である。申請者は、特殊な核酸高次構造体を形成する RNA が、様々なアミロイドの非典型凝集体『メタアグリゲート』を形成することで病原性獲得に寄与することを発見した。本研究では、アミロイドと核酸高次構造体による『メタアグリゲート』形成と細胞間伝播機構を解明し、新たな治療標的の提唱を目指す。
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研究実績の概要 |
超高齢化の本国において、アルツハイマー病やパーキンソン病に代表される神経変性疾患が増加の一途をたどっている。神経変性疾患の病態原因である『アミロイド』の病原性獲得による凝集体形成と、それに続く細胞間伝播メカニズムは未解明である。申請者は、核酸高次構造体である RNA グアニン四重鎖 (RNA G-quadruplex; G4RNA) が、様々なアミロイドのゾル-ゲル転移 (固相化) を誘導し、非典型の凝集体『メタアグリゲート』を形成することで病原性獲得に寄与することを発見した。つまり、G4RNA によるメタアグリゲートの形成が神経変性疾患に共通した発症メカニズムであることが明らかになってきた。本研究では、神経変性疾患の引き金となる細胞内 G4RNA 増加・会合機構と G4RNA による変性病変伝播機構を解明し、アミロイドと核酸高次構造体 G4RNA による『G4 メタアグリゲート』が神経変性疾患発症の中核であることの証明を目指す。本年度は、光照射により G4RNA を会合することが出来るシステムである optoG4 を用いて、G4RNA 会合がメタアグリゲートの細胞間伝播の起点になることを確認した。また、アミロイドの一種であるαシヌクレインと共凝集している内在性 RNA を RNA 免疫沈降法シーケンス解析により明らかにした。さらに、伝播機構の一つであるエクソソームについてシヌクレイノパチーモデル神経細胞を用いて解析した。現在、シーケンスデータの詳細な解析と細胞間伝播機構の詳細を検討中である。本研究成果を複数の学会で報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、本年度は、光照射により G4RNA を会合することが出来るシステムである optoG4 を用いて、G4RNA 会合がメタアグリゲートの細胞間伝播の起点になることを確認した。実際に、伝播先の神経細胞においてリン酸化陽性の凝集体形成と興奮性神経伝達機能の低下がみられた。また、αシヌクレインと共凝集している RNA を RNA 免疫沈降法シーケンス解析により明らかにした。さらに、伝播機構の一つであるエクソソームについてシヌクレイノパチーモデル神経細胞を用いて解析した。
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今後の研究の推進方策 |
現在、細胞間伝播機構、特にエクソソームを介した伝播機構について解析中である。実際に、シヌクレイノパチーモデル神経細胞から抽出したエクソソーム中に G4RNA が濃縮されていることも確認できている。今後、αシヌクレイン欠損マウスを用いた実験などにより詳細なメカニズムを追求する予定である。
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