研究領域 | 日本列島域における先史人類史の統合生物考古学的研究ー令和の考古学改新ー |
研究課題/領域番号 |
23H04841
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加藤 博文 北海道大学, アイヌ・先住民研究センター, 教授 (60333580)
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研究分担者 |
鈴木 建治 北海道大学, 文学研究院, 共同研究員 (00580929)
内山 幸子 東海大学, 国際文化学部, 教授 (20548739)
渡邊 剛 北海道大学, 理学研究院, 講師 (80396283)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
128,310千円 (直接経費: 98,700千円、間接経費: 29,610千円)
2024年度: 25,480千円 (直接経費: 19,600千円、間接経費: 5,880千円)
2023年度: 19,760千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 4,560千円)
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キーワード | 北海道島 / 集団形成 / 文化変容 / 古環境指標 / 先史文化 / 地域差 / 動物利用 / 古環境 / 古気候 / 民族集団形成 / 文化動態 / 動物儀礼 |
研究開始時の研究の概要 |
北海道島への集団移住は35,000 年前に遡るが、完新世以降も列島を北上または南下する集団の移動の影響を受け先史人類集団やその文化の形成が行われてきた。縄文文化における土器文化の様相や居住様式にも北海道島内部に地域差が認められる。それら集団・文化の動態を把握し、その要因を理解することを目指して、物質文化に留まらない高精度の気候環境変動や人間の資源利用を解明が必要である。本研究班では居住様式や生業活動の変化など先史文化の転換点を確認し、動物考古学的見地からの家畜動物の利用や地球環境学による古環境変化との対比を行う。また集団遺伝学や同位体科学との比較考察により人間活動と環境変動の相関性を検討する。
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研究実績の概要 |
研究計画の初年度である2023年度は、班内研究会を年度内に3回開催し、研究組織内での課題の共有を図った。現時点で提起されている研究課題としては、北海道島における先史集団の形成過程の特質を北海道島の先史文化の特質の一つである地域性から読み解くことと、ゲノム研究に基づく集団系統史からの検証、さらに長期的な古環境動態と古気候変動と文化変化との相関性の検証の必要性が確認されている。 北海道島の先史文化の地域性については、研究分担者である鈴木建治氏を中心に班内で議論を重ねており、具体的な資料の例示を示していく予定である。動物利用の実態については、研究分担者である内山幸子氏を中心に北海道島内の遺跡データの集成に取り組んでおり、次年度から具体的な分析に入る予定である。 礼文島で開催した国際考古学フィールドスクールには、7カ国から27名の参加者があり、縄文文化終末期の晩期から近世期のアイヌ民族が残したアワビ貝の集積遺構に至る複数の時期の考古学的遺構が確認された。第5層では、十和田文化期の埋葬事例が、第7層からは続縄文文化段階の埋葬事例が確認されている。また各層から二枚貝であるウバカイのサンプルを回収することができた。これら収集された新たな資料の解析は今後の研究に委ねられる。とりわけ古環境や古気候に関するデータの解析は、研究分担者である渡辺剛氏を中心に分析が進められており、次年度以降に概要が提示される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
礼文島での国際考古学フィールドスクールでは、初年度にもかかわらず、多くの新たな資料を収集することができている。これらの解析は今後の研究の進展によるが、現在の見込みでは良好なデータが得られる見通しが立っており、当初計画を上回る成果をあげている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進については、班内研究会を継続し、研究組織内での課題共有を図る。またフィールドスクールを活用して、新たな分析手法の開発や、若手研究者の人材育成についてのプログラムを実施していく予定である。
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