研究領域 | 日本列島域における先史人類史の統合生物考古学的研究ー令和の考古学改新ー |
研究課題/領域番号 |
23H04842
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅰ)
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
木村 亮介 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00453712)
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研究分担者 |
山崎 真治 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (40977998)
松波 雅俊 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60632635)
竹中 正巳 鹿児島女子短期大学, その他部局等, 教授 (70264439)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
94,380千円 (直接経費: 72,600千円、間接経費: 21,780千円)
2024年度: 19,110千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 4,410千円)
2023年度: 10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
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キーワード | 琉球列島 / 先史 / ゲノム / 生物考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
本計画研究では、ゲノム解析をはじめとする最先端の理化学的解析を駆使して、特に①旧石器時代とそれ以降の時代とのつながり、②貝塚時代におけるヒトおよび文化の交流、③先島諸島の先史文化の由来、④グスク時代における集団と社会の形成過程、⑤琉球王朝時代~現代におけるヒトの移動による現代琉球人の集団構造の形成といった疑問にフォーカスしながら、琉球列島における集団および文化の形成史を網羅的に解き明かす。様々な分析で得られた結果を統合して考察することにより、integrative bioarchaeology(統合生物考古学)の構築に貢献しながら、新たな琉球列島の集団史観を確立する。
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研究実績の概要 |
1.遺跡調査: 沖永良部島イクサィヨー洞穴遺跡(竹中:2023年8・10・11月、2024年1・3月実施)、徳之島湾屋川原遺跡(竹中:2023年12月実施)、伊計島クルカーガマ遺跡(山崎:2023年12月13日~2024年1月12日実施)、本部町石川テラアブ洞遺跡(山崎:2024年3月2日~同3月3日実施)、多良間村内の先史遺跡および洞窟(山崎:2024年2月16日~同2月20日実施)の発掘調査を進めた。また、琉球列島の広域火山灰に関する火山灰考古学的調査(山崎)を行った。 2.ゲノム解析: 現代琉球列島人の全ゲノム解析(木村・松波)として、西表島および与那国島出身者(祖父母4人全員がその島出身)合計25名の全ゲノム解析を行った。以前より蓄積してきた現代琉球列島人の全ゲノムデータは400人分を超えた。これらのデータを用いて、琉球列島における島ごとの集団形成史の復元を行った。また、琉球列島の古代人ゲノム解析(松波・木村)として、琉球列島で収集された274検体の現代人、および出土状況から貝塚時代(6,700-900 年前)に由来すると推定された25検体の古代人ゲノムの統合解析を実施した。qpWaveやqpAdmの解析から、貝塚時代の北琉球列島人(沖縄・奄美諸島)は縄文人との多様な混血率を示す一方で、無土器時代(2,500-900 年前)の南琉球列島人(宮古・八重山諸島)は、本土縄文人の影響が大きいことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた調査・分析を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
先史考古遺跡の発掘を進め、遺物の同位体分析やX線分析などを行う。特に沖縄諸島や先島諸島においてこれまでに遺物の少ない「空白期」の遺物を狙って発掘し、集中的に分析をしていきたい。また、ゲノム解析においては、「空白期」を含む文化期と文化期の間のヒトのつながりに焦点を当てた解析を進めていく。
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