研究領域 | 冬眠生物学2.0:能動的低代謝の制御・適応機構の理解 |
研究課題/領域番号 |
23H04944
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
田中 和正 沖縄科学技術大学院大学, 記憶研究ユニット, 准教授 (10772650)
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研究分担者 |
坪田 有沙 (平野有沙) 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60806230)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
145,080千円 (直接経費: 111,600千円、間接経費: 33,480千円)
2024年度: 27,040千円 (直接経費: 20,800千円、間接経費: 6,240千円)
2023年度: 34,320千円 (直接経費: 26,400千円、間接経費: 7,920千円)
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キーワード | 冬眠 / 記憶 / 概日リズム / QIH / 海馬 / 記憶痕跡 / 視交叉上核 |
研究開始時の研究の概要 |
一部の哺乳類は環境に応じて自身の体温と代謝を著しく下げる冬眠状態へと移行し、冬眠 時には行動や脳機能は抑制される。しかし、ひとたび冬眠から回復すれば完全に生体機能は 戻り、冬眠哺乳類は”冬眠前と同じ個体として”通常の生活へと戻る。このように極限まで機能が抑制された脳が分子・神経・回路レベルでどのように変化して低代謝状態に適応しているのか、さらに冬眠前と後でどのように時系列的な連続性が保たれるのか、という脳機能における拡張された恒常性の謎の解明に挑む。
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研究実績の概要 |
本研究計画では、冬眠および冬眠様低温・低代謝状態(QIH)において脳機能の時間的連続性がどのように担保されているのかを理解することを目的とする。マウスにおけるQIHを利用し、その記憶と概日リズム維持のメカニズムに焦点を当てる。 記憶メカニズムにおいては、計画は順調に進んでいる。QIH中の神経回路の構造変化に関しては、電子顕微鏡イメージングを用いた解析により、様々な構造的特徴を明らかにしつつある。冬眠前後の記憶エングラム操作も順調に進行しており、今年度中ないしは来年度中での論文執筆を視野に入れている。QIH中の脳神経活動を明らかにする実験においては、すでに取得したデータの解析から、QIHに特徴的な集団的活動パターンを見出しつつある。 また、分担班である平野との共同研究を通して、視床下部the suprachiasmatic nucleus (SCN)のQIH中の神経活動を記録し、その概日リズム維持機構の一端を明らかにしつつある。本プロジェクトは今年度中の論文投稿を予定しており、研究計画は当初の予想を上回った進捗をみせていると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画は順調に進展しており、記憶プロジェクトに関しては来年度中に、概日リズムプロジェクトに関しては今年度中に最初の論文投稿を考えている。これらの成果は3-4年目を当初は予想していたため、当初の計画以上に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度以降は現在進行中の研究の論文化を進めるとともに、新しい方向性としてアストロサイトの関与を検証するプロジェクト、新たな脳疾患モデルに対するQIHの応用を検証するプロジェクトを展開していく。
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