研究領域 | 冬眠生物学2.0:能動的低代謝の制御・適応機構の理解 |
研究課題/領域番号 |
23H04945
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
清成 寛 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (40721048)
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研究分担者 |
宮道 和成 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, チームリーダー (30612577)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
139,880千円 (直接経費: 107,600千円、間接経費: 32,280千円)
2024年度: 27,040千円 (直接経費: 20,800千円、間接経費: 6,240千円)
2023年度: 29,120千円 (直接経費: 22,400千円、間接経費: 6,720千円)
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キーワード | 冬眠 / ハムスター / ゲノム編集 / 神経科学 / トランスクリプトーム / 視索前野 |
研究開始時の研究の概要 |
冬眠哺乳類と非冬眠哺乳類との違いを理解するためには、両者の直接的な比較が必要であり、その際には同程度の解像度の研究が必要となる。生体内の細胞レベルの研究において、非冬眠哺乳類のマウスでは様々な種類の細胞を特異的に標識、計測、操作することができるが、冬眠哺乳類ではこのような系が確立されていない。そこで本研究では冬眠哺乳類であるハムスターをモデルに遺伝子KIを含む自在なゲノム編集技術を実装する。これを用いて特定の細胞種にCre組み換え酵素を発現するハムスター系統を樹立し、マウスにおいて特に発達しているCre/loxPを用いた細胞の種類特異的なウイルス遺伝子工学的操作系をハムスターにおいて確立する。
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研究実績の概要 |
ハムスターなどの冬眠哺乳類とマウスやヒトなどの非冬眠哺乳類とは何が異なるのか、これを理解するためには、冬眠哺乳類と非冬眠哺乳類の直接的な比較が必要であり、その際には、同程度の解像度の研究が必要となる。生体内の細胞レベルの研究において、非冬眠哺乳類 のマウスでは様々な種類の細胞を特異的に標識、計測、操作することができるが、冬眠哺乳類ではこのような系が確立されていない。本計画班は、冬眠哺乳類モデルであるハムスターでの遺伝子改変技術・神経操作技術の確立を目的とし、また確立された技術を本領域の計画班、公募班に提供し、冬眠哺乳類における拡張された代謝恒常性を支える整体ないの細胞レベルの研究に貢献する、 遺伝子改変技術にあたっては、受精卵の培養条件、移植及び顕微注入法の最適化による生体外胚操作技術の確立には概ね成功した。遺伝子改変ハムスター作製後の系統保存を想定した凍結保存技術開発においては、体外受精については今後検討が必要であるものの、簡易ガラス化法による受精卵の凍結保存については確立できた。 神経操作技術に関しては、イメージングや操作の対象となる神経細胞群を同定するため、ハムスターの内側視索前野の解剖学的、組織化学的解析を実施した。また、冬眠状態ではないハムスターから同領域を切り出してトランスクリプトーム解析に供するためのプラットフォームを確立した。マウスの同領域のトランスクリプトームデータを公共データベースから取得し、種間比較に必要なハムスター遺伝子のアノテーション作業を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハムスターの遺伝子改変技術開発にとっての肝となる生体外胚操作技術の確立におおむね成功し、今後は遺伝子ノックインの技術開発に着手できる。凍結保存技術開発においても受精卵を用いた凍結技術そのものについては確立できた。 神経操作技術に関しても、本プロジェクトに従事する研究員が決まり、ハムスターの取り扱いについて習熟を進めた。トランスクリプトーム解析については、まずマウスを使った技術・解析手法の習得が完了し、室傍核オキシトシンニューロンを対象とした論文一報を執筆し、プレプリントを公開した (Tsurutani M et al. bioRxiv 569733, 2023)。この知見を用いて、ハムスター視索前野のトランスクリプトーム解析が順調に立ち上がり、予備的な結果をいくつか得ることが出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
生体外胚操作技術の確立に成功したことにより、マイクロマニュピレーション法を用いた遺伝子ノックインの作製へ着手する。系統保存については、効率化を念頭に体外受精技術の確立を検討する。神経操作技術に関しては、冬眠中のハムスターの一細胞トランスクリプトーム解析あるいは空間トランスクリプトーム解析を進め、冬眠に関連する細胞種の同定を進める。合わせて、ハムスターの中枢神経系を対象としてウイルス導入手技の習熟を進め、Ca2+イメージングやトランスシナプス標識法の導入テストを実施する。
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