| 研究領域 | ハビタブル日本:島嶼国日本の生存基盤をなす大気・海洋環境の持続可能性 |
| 研究課題/領域番号 |
24H02222
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| 研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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| 配分区分 | 補助金 |
| 審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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| 研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
本田 明治 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20371742)
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| 研究分担者 |
高橋 直也 新潟大学, 自然科学系, 助教 (01001172)
平田 英隆 立正大学, データサイエンス学部, 准教授 (30808499)
西川 はつみ 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(地球表層システム研究センター), 特任研究員 (10783392)
川瀬 宏明 気象庁気象研究所, 応用気象研究部, 主任研究官 (20537287)
飯塚 聡 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 極端気象災害研究領域, 上席研究員 (40414403)
柏野 祐二 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産大学校, 教授 (00421876)
立花 義裕 三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (10276785)
柳瀬 亘 気象庁気象研究所, 台風・災害気象研究部, 主任研究官 (80376540)
山田 広幸 琉球大学, 理学部, 教授 (30421879)
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| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
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| 配分額 *注記 |
164,970千円 (直接経費: 126,900千円、間接経費: 38,070千円)
2026年度: 41,340千円 (直接経費: 31,800千円、間接経費: 9,540千円)
2025年度: 45,630千円 (直接経費: 35,100千円、間接経費: 10,530千円)
2024年度: 21,710千円 (直接経費: 16,700千円、間接経費: 5,010千円)
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| キーワード | 海洋前線 / 豪雨 / 豪雪 / 温暖化 / 船舶観測 |
| 研究開始時の研究の概要 |
近年、豪雨の発現は日本全国に及び、冬季は史上最強寒波や豪雪にも見舞われている。日本近海では暖流と寒流のぶつかる「海洋前線帯」の北上や強化に伴い海洋熱波も頻発し、海洋前線上では豪雨・豪雪をもたらす積乱雲群が生み出される。本計画研究では、「海洋前線の位置と強さが豪雨・豪雪を決める」という新たなパラダイムを提案する。船舶を用いた戦略的集中観測により、日本を囲む海洋前線帯の高密度大気海洋3次元構造を詳細に観測し、海洋前線が近年の豪雨・豪雪の発現過程に及ぼす影響を解明する。また、さらに温暖化が進行した世界で海洋前線は豪雨・豪雪をどう変えていくのか、その将来変化を定量的に評価する。
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| 研究実績の概要 |
4月5日に当班(A01-2豪雨豪雪班)全体のキックオフ会合をオンラインで実施し年間スケジュールの確認、船舶による大気海洋観測計画を議論した。4月25日には、下関の水産大学校耕洋丸を訪問し、2026年1月実施予定の日本海観測打合せを実施した。翌26日は大阪国際空港のJ-AIRを訪問し、航空機観測データを活用した共同研究開始に向けた打合せをした。5月23日にはつくばの気象研究所において当班の解析系研究者を中心した会合を開催し、観測系研究者との連携体制の構築を図った。6月1日には 柏の東大で開催された本プロジェクト(HS3)総括班全体会合に出席し、観測実施に当たっての班間連携を確認した。また当会合において北太平洋三陸沖に黒潮続流の極端な北偏による異常高水温状態が継続していることを受けて、当初予定になかった2025年夏の船舶観測の可能性を議論した。6月17日~21日 には三重大勢水丸大気海洋観測実習に参加し、2025年夏の船舶観測実施に向けて調整を行った、6月27~28日には熊野で対面型の班全体研究集会を開催した。8月6日には岩手の東大海洋センターで 総括班観測系メンバーによる打合せを実施、2025年夏に2隻の船舶による太平洋東北沖大気海洋観測の実施が決定された。10月21~22日は新潟で 第1回大気海洋観測系会合を開催し、25・26年度実施する船舶観測の全体計画議論と班間調整を実施した。1月8日には新潟で気象研究所が実施する大気海洋観測との連携調整を図り、2月3~4日に湯河原で実施した 第2回大気海洋観測系会合において、本プロジェクトと気象研による共同観測実施体制を確認した。2月21~22日には、北海道斜里で今年度2回目の班全体会合を開催し25年度の観測に向けて、観測系研究及び解析系研究の協働体制を構築した。3月6~8日 HS3全体会合の新潟開催では、当班がホストを担った。
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| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では設定している3つの研究テーマについて、本年度予定していた計画はいずれも順調に進んだ。 テーマ1「日本を囲む海洋前線帯における船舶による集中観測」では、当初予定の船舶による2026年冬の日本海東北沖、2026年夏の北太平洋三陸沖の大気海洋観測に加え、海況を踏まえて2025年夏の北太平洋三陸沖の観測実施が決定されるなど、初年度から戦略的な展開で進めた。北太平洋三陸沖観測は、A01-1海洋変動班が主催する東シナ海黒潮域観測と連携して実施するため、年度の早い段階から班間協力実施体制を積極的に構築したことが、当初予定になかった2025年夏の観測実施の実現に結び付いた。年間を通じて各班で実施する会合や研究集会などには両班の関係者が相互乗り入れして、観測計画及び観測体制の構築を随時共有してきた。 テーマ2「海洋前線帯の詳細な海面水温分布を用いた高解像度数値実験による豪雨・豪雪のメカニズム解明」では、海洋前線が雨や雪の集中化もたらすメカニズム解明に向けて効果的な観測遂行のため、解析系研究者を中心に新学術6102(HS2)等で取得された船舶観測データを活用し高解像度数値実験を実施し、海洋前線帯の大気へのインパクトを評価し、2026年度実施の綿密な観測計画立案への反映を進めている。また海洋データ同化システムを用いた精細な海水温分布を作成する手法の確立を進めている。 テーマ3「豪雨・豪雪をもたらす極端現象の構造・発現メカニズムの解明」では、本計画研究の新パラダイム「海洋前線の位置と強さが豪雨・豪雪を決める」の創出に向けて、過去の豪雨・豪雪を対象に、温暖化する日本近海の海洋前線帯への影響評価を進めた。特に、2年連続となった記録的猛暑と日本近海の水温上昇の関係、帯広で12時間120センチなど各地の豪雪にかかわる異常高水温域の影響など、顕著事例の解析による知識・知見の蓄積を進めている。
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| 今後の研究の推進方策 |
2025年度は、当初は冬の日本海観測の実施のみの予定であったが、急速な海況変化から夏の太平洋三陸沖観測を実施することになったため、総括班に設置されている「観測推進チーム」が中心となって、特にA01-1海洋変動班との連携強化により観測・解析体制の構築が進められている。また夏の観測では新たに採択された公募研究により岩手県大槌において陸上観測を同時に実施する。また別の公募研究では日本海のカニ籠漁を活用した小型波浪ブイが展開され、これまで取得困難であった海上気圧データの定常観測システムネットワーク形成が進められるなど、班・公募研究による一層の有機的な連携体制が構築されつつある。また2026年度の船舶及び陸上観測においては、A02-4CO2班、A02-5微粒子班との連携体制の準備も進められている。 また2025年度の観測で初めて取得される海洋前線帯の詳細な大気海洋3次元データについては、大気・海洋同化システムを用いて精細な大気海洋3次元構造の再現を目指していく。そのためにはA02-6同化班との連携が重要となってくる。25年度は班の枠を超えた解析系会合の定期的な開催を目指していきたい。 また本計画研究の新パラダイム「海洋前線の位置と強さが豪雨・豪雪を決める」の創出に向けて、今後も頻発が予想される猛暑にかかわる日本近海の水温上昇及び海洋前線の変化と豪雨との関係、冬季の水温上昇及び海洋前線変化と豪雪の関係について事例の発現に合わせて解析する体制を構築する。J-AIRとの共同研究契約が24年度末に締結され、営業運航する航空機による気象観測データを活用した、豪雨・豪雪発現事例の準リアルタイム解析システムを構築する。
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