| 研究領域 | プラズマ駆動種子記憶操作:プラズマが駆動する種子内分子動態の学理創成 |
| 研究課題/領域番号 |
24H02256
|
| 研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
| 配分区分 | 補助金 |
| 審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
|
| 研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
江原 宏 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (10232969)
|
| 研究分担者 |
谷口 光隆 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (40231419)
中島 史恵 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (60961612)
仲田 麻奈 名古屋大学, 農学国際教育研究センター, 助教 (70623958)
柴田 貴広 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (80447838)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2029-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
|
| 配分額 *注記 |
81,510千円 (直接経費: 62,700千円、間接経費: 18,810千円)
2025年度: 23,140千円 (直接経費: 17,800千円、間接経費: 5,340千円)
2024年度: 27,560千円 (直接経費: 21,200千円、間接経費: 6,360千円)
|
| キーワード | 表現型 / 根系形態 / メタボローム / プロテオーム / 草姿制御 / 発芽動態 / 形態形成 / 機能形成 / 環境ストレス / 棍系形態 |
| 研究開始時の研究の概要 |
プラズマ照射による幼植物成長,棍系形態形成,生理機能の変化を把握する。安定して植物への変化が与えられる処理の条件を明確にした上で,メタボローム解析によって代謝産物の変動を調査するとともに,プロテオーム解析によりキータンパク質の特定,表現型の変化に関与する植物ホルモンなど,成長調節因子の同定を行う。プラズマ処理で生じる活性種により励起,誘導される植物体での機能的変化と,引き続きいて生じる器官発生と細胞発育,物質生産に通じるメカニズムを解明し,新規手法の駆使による植物の成長形質制御,環境ストレス耐性の付与,向上の可能性を検討して,プラズマ種子科学の基盤を形成するための基礎的知見の集積に貢献する。
|
| 研究実績の概要 |
本研究では,4つの課題を設定し,プラズマ照射による形態形成,機能形成プロセスの改変の様相を解明,作物の構造・機能制御技術の確立に向けた知見の集積を目指している。初年次にあっては,課題1の「プラズマ照射・活性種照射に伴う植物の発芽行動と幼植物の表現型変化の把握」において,次の検討を行った。 1-1) 日本型水稲の生育・形態および収量における低温プラズマ照射効果:発芽率に顕著な影響はなかったものの,播種後6 日目の苗立ちについてみると,プラズマ照射区(乾燥種子への総放電時間 180秒)の草丈と地上部乾物重が対照区と比較して有意に大きく,発芽後の初期生育が促進されることが示された。 生育中期にあっては,草丈が分げつ数に先んじて差が認められ,伸長成長への影響が早くて新器官の分裂への影響が続いて生じるものと理解された。葉齢には影響は小さかったことから,生育相の転換などには大きな影響はないものと考えられた。生育中の水消費量はプラズマ照射区で有意に大きかった。収量構成要素についてみると,プラズマ照射区で不稔籾数が有意に少なくなったことから登熟歩合が高まった。 1-2) リョクトウ種子へのヘリウムプラズマジェット照射:種子の積算吸水量には無処理とプラズマ照射で有意な差異はみられなかったものの,播種後36時間で発芽率に差がみられ始め,72時間の発芽率はプラズマ3分照射>5分照射>無処理≒1分照射の順であった。幼植物の生育は,3分照射で葉重が,5分照射で根重が増大する傾向がみられ,それぞれ葉重比,根重比が大きくなった。 1-3) 面タイプのプラズマ発生装置による照射:ガラス誘電体層と銅板スリットの間にプラズマを発生させる装置で,シコクビエ種子に3分間6kV-6kHzで照射したところ,発芽率が1.2倍,10kv-6kHzで1.3倍に増大した。膨潤種子への照射では1.5倍に増と効果が大きかった。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
プラズマ農業研究のコンセプト,研究成果を国際研究集会やJICA調査団ワークショップで4度の基調講演,OECD本部やFAO事務局でのセミナーで2度の話題提供,国内外の研究集会で6度の講演,JICA受託事業でのライスセミナーの機会を設け,国内外での情報発信を行う機会を広げた。オンラインジャーナル「農学国際協力」誌では,プラズマ農業技術を含むサーキュラーバイオエコノミー国際シンポジウムの開催報告を掲載した。 これらの成果をもって,概ね順調に進展していると判断する。
|
| 今後の研究の推進方策 |
今後は,(1) プラズマ照射・活性種照射に伴う植物の発芽行動と幼植物の表現型の変化についての把握を進めるとともに,(2) 根端の細胞分裂,伸長帯の細胞伸長といった形態形成反応,並びに機能形成に関わる植物ホルモン様物質の動態,(3) 代謝物の存在量と変動,酵素の活性を明らかにする。さらに,(4) それらを規定するタンパク質を特定し,プラズマ照射による生理メカニズムの改変の様相を解明,構造・機能制御技術の確立に向けた知見の集積を目指し,各課題の下の小課題の着実な推進に取り組む。
|