| 研究領域 | 時間タンパク質学:多様な「時」を生み出すタンパク質マシーナリー |
| 研究課題/領域番号 |
24H02300
|
| 研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
| 配分区分 | 補助金 |
| 審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
|
| 研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松尾 拓哉 北里大学, 理学部, 教授 (00452201)
|
| 研究期間 (年度) |
2024-04-01 – 2029-03-31
|
| 研究課題ステータス |
交付 (2025年度)
|
| 配分額 *注記 |
73,580千円 (直接経費: 56,600千円、間接経費: 16,980千円)
2026年度: 14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2025年度: 14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2024年度: 14,820千円 (直接経費: 11,400千円、間接経費: 3,420千円)
|
| キーワード | 概日時計 / カサノリ / 緑藻 / 除核 |
| 研究開始時の研究の概要 |
体内時計が一日のリズムを作り出すには、細胞の核で時計遺伝子が転写されることが重要と考えられています。しかしその一方で、核を取り除いたり転写を阻害した細胞でも体内時計が機能する例がいくつかの生物で知られています。その一つが、巨大単細胞緑藻のカサノリです。本研究では、核を取り除いたカサノリを長期間に渡って解析し、どのようにして一日のリズムが作り出されるのかを明らかにします。
|
| 研究実績の概要 |
本研究は、巨大単細胞生物カサノリにおいて、除核後も概日リズムが持続するという歴史的知見を現代技術で再検証し、転写を介さないリズム形成機構の解明を目指すものである。研究代表者は、カサノリの培養系、除核技術、リズム測定技術を再確立し、除核個体においても鮮明な概日リズムが維持されることを確認した。学術変革領域B「時間タンパク質学」での解析により、このリズム現象は「時間タンパク質」と「パラメトリク翻訳」の融合領域で解明すべき課題であることが示唆され、本領域Aでの融合研究へと展開している。 まず、除核カサノリの概日リズムの基本的性質について、周期の安定性、温度補償性、光応答性を中心に解析を行った。その結果、除核細胞においても周期は一定であり、温度補償性を持つことが明らかとなった。これにより、除核細胞においても概日時計の基本的性質を持ったリズム生成機構が働いていることが確認された。 現在、除核カサノリにおいて、リズムを支える分子機構の解析を進めている。翻訳やタンパク質に関わる現象の動態について、時系列解析を行い、リズム形成に関連する動的な分子変化を捉えつつある。また、カサノリに存在する時計遺伝子ホモログの発現動態や機能についても検討を開始しており、除核条件下における役割の解明に取り組んでいる。
|
| 現在までの達成度 |
現在までの達成度
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に沿って、予定していた実験を遂行した。
|
| 今後の研究の推進方策 |
今後は、除核カサノリにおける概日リズムの分子機構をさらに詳細に解明するため、以下の解析を進める予定である。まず、カサノリの巨大な細胞構造に着目し、mRNAの細胞内局在におけるリズム性を解析する。除核後も細胞全体のmRNA量は大きく変動しないが、細胞内での局在パターンにリズム性が存在する可能性が考えられる。特に時計遺伝子ホモログに対応するmRNAの局在動態を一細胞レベルで観察する。また、除核細胞のリズムに影響を与える分子の探索を目的として、化合物スクリーニングを実施する。学術変革領域Bにおいて開発したハイスループットリズム測定系を活用し、化合物ライブラリからリズム変調効果を示す化合物を選別する。効果の認められた化合物については、分子プローブ化と標的タンパク質の同定を進める。さらに、標的タンパク質の同定後には、特異的抗体の作製、発現解析、免疫沈降によるインタラクトーム解析やリン酸化プロテオーム解析を行い、タンパク質ダイナミクスの理解を深める。加えて、除核カサノリにおいて得られた知見の普遍性を検証するため、モデル緑藻であるクラミドモナスを用いた比較解析を行う。クラミドモナスは遺伝学的ツールが充実しており、一般的な細胞形態を持つ真核生物において、カサノリで得られた成果が再現されるかを検討する。これらのアプローチにより、転写に依存しない概日リズムの分子実体に迫り、真核細胞における新たな時間計測機構の理解に貢献することを目指す。
|