研究課題/領域番号 |
00F00279
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
超高層物理学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
津田 敏隆 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 教授
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研究分担者 |
MOUSA ashraf El?Kutb 京都大学, 宙空電波科学研究センター, 外国人特別研究員
MOUSA A. E.-K.
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | GPS掩蔽法 / GPS気象 / 電波伝搬 / 水蒸気プロファイル / 大気屈折率 / 解析システム開発 |
研究概要 |
水蒸気は多くの大気過程で重要な役割を担っているため、大気力学を理解する上で水蒸気構造に関する情報は重要である。我々は新しい水蒸気計測手法として、ダウンルッキング型GPS掩蔽法(以下DL掩蔽法)に注目した。これは富士山などの孤立峰山頂から地平線に沈み行くGPSを観測し、ある特定地域における地表付近の水蒸気鉛直構造を高精度で計測できると考えられている。そこでDL掩蔽を実現し、そのデータ解析を行うべく解析システムの開発に取り組んだ。 解析システムは導出された水蒸気が数値天気予報に利用するのに十分な精度を持つ様に設計し、シミュレーションを通して精度検定も実施した。GPS掩蔽法による水蒸気計測は、GPS電波の屈折特性(伝搬経路の湾曲程度を表す屈折角)から屈折率を導出することで行われる。私は屈折率導出のため、最小二乗法とAbel変換の2通りの方法によるソフトウェアを開発した。前者については昨年度完成させ、シミュレーションデータを使った検定では鉛直分解能100mで0.1hPaの精度を持つ水蒸気が導出できることを確認している。一方、Abel変換は低軌道衛星によるGPS掩蔽法の解析では一般的に使われているが、DL掩蔽観測データの解析に実践的に適用するのは初めてである。低軌道衛星とDL掩蔽法の場合では、大気中を通過する伝播経路に違いがあり直接的にはAbel変換を適用できないため、"パーシャル屈折角"を導入して解析を行った。シミュレーションデータを用いた検定では非常に有用であることが確かめられた。 京都大学宙空電波科学研究センターで富士山DL掩蔽観測データから解析された屈折角を用いて、今回開発したAbel変換の解析を実施し、屈折率鉛直分布の導出に世界で初めて成功した。この屈折率は、ラジオゾンデ観測とも良い一致を示す。この結果をオーストリアで9月に行われたOPAC-1ミーティングで発表した。また、Abel変換のシミュレーションについては、6月の合同大会及び1月のGPS気象学国際ワークショップで発表をした。
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