研究課題/領域番号 |
00F00750
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 外国 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
岡田 秀親 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授
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研究分担者 |
FARKAS Imre 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 外国人特別研究員
FARKAS I.
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 脳 / 補体 / C5aレセプター / アポトーシス / CD59 / 神経細胞 / アルツハイマー / 補体制御膜因子 |
研究概要 |
日本学術振興会の研究費支援により、この2年間、我々は補体(C)の活性/調節、そして脳における補体の役割に焦点を当てて研究した。 まず、我々は、種特異的補体制御膜因子であるCD59が重要な機能をもつことを発見した。それは、巨大な膜攻撃複合体(MAC)の形成を制御する役割の他に、未熟なサイズのMACによって形成されるイオンチャネルをブロックする作用を持っているということである。この結果、「CD59をMACの表面に注入すると、なぜCD59を発現する脳内細胞の代謝が阻害されないか」を明らかにした。 また、C5aレセプター分子(C5aR)が錐体細胞と脳の海馬領域のような脳内各部の神経系で見られた。しかし、錐体細胞内におけるC5aRの発現は、アルツハイマー病の脳内では認められなかった。この結果、C5aR発現細胞は壊れやすいことをがわかった。また、分子レベルでの実験において、C5aRの異常発現によるラット脳の錐体細胞で、アポトーシスを誘因するのに成功した。この活性はまた強いカルシウム・インフラックスをともなった。 さらに、C5aの機能を特異的に阻害するペプチドの抑制作用を解析した。試験管内実験で、C5a投与による好中球内カルシウム・インフラックスを濃度依存的に抑制した。また、そのペプチドは神経芽細胞腫中のC5aRの異常活性化を濃度依存的に起こした。生体内での実験では、そのペプチドが敗血症のラットモデルにおいて、C5a発生の有害な影響を効果的に阻害した。すなわち、ペプチド治療を受けていないラットは全滅したが、治療をうけたすべてのラットが生存した。
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