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生物群集における生態的役割の逆転現象―肉食性貝類ヒメヨウラクの場合

研究課題

研究課題/領域番号 00J00258
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 生態
研究機関九州大学

研究代表者

大田 直友  九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2000 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード生物群集 / 潮間帯 / 肉食性貝類 / 摂餌生態
研究概要

本年度は,1年目,2年目の結果をもとに,不足のデータを補いながら,ヒメヨウラクが群集構造の変化に応じてどのような機能的役割を担っているかを明らかにし,潮間帯生物群集の形成維持機構を考察した.また,3回の学会(日本生態学会九州地区会・於九州大学,日本ベントス学会・三重大学,英国生態学会・ヨーク大学)に参加し,研究成果の発表を行った.
1.ヒメヨウラクの転石・岩礁海岸での潜水摂餌観察
潜水観察および摂餌行動観察の結果,分解者としての競争相手がいない岩礁海岸では主に分解者として振る舞い,強力な競争種がいる転石海岸では捕食者として振る舞う傾向が見られた.さらに転石海岸では,競争種となるイソニナの垂直分布に従って捕食と分解食を使い分けていた.すなわち,イソニナと共存する高い潮位では捕食者となる傾向が強まり,イソニナがいない潮下帯では分解者としての振る舞いが多かった.よって,ヒメヨウラクは生息場所の競争相手の有無により摂餌戦略を転換させることが示唆された.
2.成長・産卵量の生息地間比較
前年度の結果より,生息地間で餌供給の違いが示唆された.餌供給と成長・産卵量および摂餌戦略との関連を考察するため,成長・産卵量のモニタリングを行った.その結果,岩礁海岸では成長・産卵ともに低潮位部分の方が良い傾向を示した.また,転石海岸でも同様の傾向がみられた.また,転石海岸の上部は成長・産卵ともに最も小さい傾向を示した.
以上のようにヒメヨウラクは生息場所の競争相手の有無・その程度により摂餌戦略を転換させることが示唆されたが,その影響がどの程度生活史特性まで及んでいるかは曖昧であった.今後さらなる実験・観察を重ねて,ヒメヨウラクの環境感受性,群集での役割について考察を加えたい.

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2024-03-26  

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