研究課題/領域番号 |
00J01048
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
水野 恒史 広島大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | X線天文学 / γ線天文学 / GLAST衛星 / 気球実験 / 宇宙線 / シミュレーション / プラスチックシンチレーター / バックスプラッシュ |
研究概要 |
宇宙γ線衛星GLASTに向けた気球実験のデータ解析を、昨年度に引き続き推し進めた。昨年度すでにGeant4シミュレーターと宇宙線フラックスモデルを構築して実データとの比較を行い、トラッカーでの荷電粒子の反応を20%以内で再現することに成功したが、これに加えトラッカー中の飛跡の特質から粒子の弁別を試み、飛跡の曲がり具合から陽子、アルファ粒子、そして高エネルギーのミュー粒子とその他の粒子を効率よく区別できることを示し、これらの粒子を選び出してその角度分布を調査した。その結果、過去の観測データが最も豊富な陽子とアルファ粒子の鉛直成分フラックスについて、我々のデータが過去のそれと不定性の範囲で一致することを確認し、我々の宇宙線モデルとシミュレーターが正しく構築できたことを実証した。さらに、これまでほとんど観測データのない、大きな天頂角成分のデータも得ることができた。視野の広いGLASTにとって、この大天頂角のフラックスは大変貴重なデータである。これらの結果を2002年4月の米国物理学会、9月の日本物理学会で発表し、内外の研究者にその成果を紹介し議論を行った。さらに、GLAST他のγ線衛星、気球実験のための汎用的なシミュレーションの枠組みの構築に着手し、GLASTに向けた気球実験シミュレーターを組み込むとともに、この気球実験のための宇宙線モデルをもとにした宇宙線バックグラウンドモデルを構築した。 これと平行して、GLASTで荷電粒子事象の除去に用いるプラスチックシンチレーターのビーム試験を行い、高エネルギー荷電粒子に対するバックスプラッシュ(反跳)の実験データを取得するとともに、Geant4によるシミュレーターを構築し、その比較を行っている。さらにX線偏向検出を目指し、プラスチックシンチレーターを用いた基礎実験とシミュレーターの開発にも着手した。これらの実験データ解析、シミュレーションのため、ノートパソコンを購入し使用した。
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