研究課題/領域番号 |
00J01406
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
印度哲学(含仏教学)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福井 真 大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | Sukhavativyuha / 無量寿経 / 阿弥陀仏 / 法蔵菩薩 / 東方偈 |
研究概要 |
「無量寿経」Sukhavativyuha (Sukh)について、梵文写本の分析に基づいて批判的研究を行った。 所謂東方偈には仏の微笑、放光という授記の物語によく見られるモチーフが使われている。類似する物語は小品般若経系統の経典に見られるが、東方偈のものとは表現上の若干の相違がある。Sukh全体としては、般若経系統の思想を体系的に取り入れたという証拠はなく、東方偈についてもその影響を受けたと考えるのは難しい。東方偈の内容は有部系のAvadana文献における授記物語のものとも対応するが、成立年代が東方偈の方が古い分、表現はそれらほど冗長ではない。Sukhは内容や構成の点で物語としてはavadana的な特徴を持ち、Avadana文献と近い関係にあったことが推測されるが、東方偈が直接影響を受けたという積極的な証拠はない。 Sukhは前半の法蔵(Dharmakara)菩薩の前世の物語と、後半の阿弥陀仏(Amitabha/Amitayus)の衆生救済の物語に大別することが出来る。阿弥陀仏は他の経論によく知られているが、その前身の法蔵菩薩に言及する経論は少ないばかりか、十五種の異説まで存在する。それらの異説を持つ経論の多くがSukhの成立年代と近い段階のものであり、Sukhの成立当初から後代まで、阿弥陀仏ほど法蔵菩薩は知られていなかったと考えられる。このことは一例であるが、あくまでSukhの中核は阿弥陀仏の物語であり、jataka或はavadanaといった形式の物語の影響のもとに前世の物語が付加されてSukhが成立したのではないかと考えられる。 Sukhにおける法蔵菩薩の誓願の内容と誓願の成就の記述の分析を行った。特に偈頌に見られる誓願の内容は誓願文や後半部散文よりも単純で、より古い段階を示すと推測される。「仏の光明」と「衆生の安楽」並びに「聞名による救済」が誓願の中核と考えられるが、讃仏偈(歎仏偈)に現れない「聞名による救済」の誓願は前二者よりも遅れて成立した可能性がある。
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