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微粒子懸濁水溶液へのγ線照射効果の研究

研究課題

研究課題/領域番号 00J01873
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 原子力学
研究機関大阪大学

研究代表者

清野 智史  大阪大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2000 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード超微粒子 / γ線 / チタニア / アルミナ / 水素ガス / フェノール
研究概要

TiO_2やAl_2O_3ナノ粒子の懸濁した水溶液にγ線を照射すると純水の放射線分解で発生するよりも多量の水素ガスが発生する現象について、水素発生が促進されるメカニズムについて検討した。水素発生メカニズムは、水の放射線分解により生成する活性種がナノ粒子表面において反応する過程と、ナノ粒子中に生成する電子正孔対の酸化還元反応による過程からなり、前者がより支配的であることが示唆された。また現在得られている水素ガスの製造効率について、太陽光を利用した光触媒反応による手法との比較した。1時間あたりの水素発生効率は太陽光エネルギーを利用した光触媒反応による手法の方が高いことが分かった。しかし1日あたりに換算すると、γ線エネルギーの利用では日照時間や天候に依存しないため、水素発生効率はγ線を利用した方が高くなる。γ線エネルギーとナノ粒子材料を利用した水素ガスの製造は、将来的な実用化の可能性を秘めているといえる。
フェノール水溶液のγ線照射による無機化に及ぼす、TiO_2及びAl_2O_3ナノ粒子の添加効果についても調べた。残留フェノール濃度は懸濁ナノ粒子の有無によらずほぼ同じであったが、残留有機炭素濃度はナノ粒子の存在下で減少した。照射後、液相中にフェノールにOH基が付加した化合物が生成することを確認しており、TOC濃度の現象はこれらの付加化合物がナノ粒子表面に吸着したことが主な原因である。しかし、ナノ粒子を懸濁させてγ線を照射したフェノール水溶液と照射後にナノ粒子を加えたフェノール水溶液を比較すると、前者の方がより効率的に有機炭素を除去できていることが分かった。従って、ナノ粒子はフェノールの無機化反応に寄与していることが確認された。有害有機物質の放射線分解において、ナノ粒子を懸濁させることで水溶液中の環境汚染物質を選択的にかつ効率的に除去できる可能性が示唆された。

報告書

(1件)
  • 2002 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Satoshi Seino: "Gamma-ray radiolysis of aqueous phenol solutions dispersing titania or alumina nanoparticles"Proceedings of the 6th International Conference on Nanostructured Materials. (in press). (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Satoshi Seino: "Gamma-ray irradiation effect on aqueous phenol solutions dispersing TiO_2 or Al_2O_3 nanoparticles"Reviews on Advanced Materials Science. (in press). (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] Norihisa Chitose: "Radiolysis of aqueous phenol solutions with nanoparticles. 1. Phenol degradation and TOC removal in the solutions containing TiO_2 induced by γ-ray and electron beams"Chemsopher. 50. 1007-1013 (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 清野 智史: "ナノ粒子懸濁水へのγ線照射による水素ガス発生の効率"日本原子力学会 2003年春の年会. (予定). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 清野 智史: "微粒子懸濁水溶液系の放射線照射効果の研究(VI)"大阪大学産業科学研究所 付属放射線実験所 平成14年度共同利用報告書. (予定). (2003)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書

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公開日: 2000-04-01   更新日: 2024-03-26  

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