研究課題/領域番号 |
00J03503
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川島 康豊 京都大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ヒドロエステル化 / ビニルアレーン / カルボニル化 |
研究概要 |
ビニルアレーンのヒドロエステル化反応は、ナプロキセンなどのプロピオン酸系消炎鎮痛剤の前駆体を一段階で合成できる重要な反応であるが、一般に反応条件が過酷であり、位置選択性およびエナンチオ選択性を制御する必要があるため、難しい反応といえる。これまでに、パラジウム触媒を用いたビニルアレーンのヒドロエステル化反応において、メンチルジフェニルホスフィン(MDPP)やジシクロヘキシルフェニルホスフィン(Cy2PPh)を配位子とすると、強酸などの添加物を加えることなく、20気圧、50℃という穏和な条件下、ほぼ完全な位置選択性を伴って分岐エステルを収率よく得られること、また配位子のリン上にAr基として軸不斉をもつビナフチル基を導入しすると、不斉誘起がみられることなどを明らかにしてきた。本年度はこのビナフチル誘導体の配位子について、設計および合成を行い、不斉ヒドロエステル化反応を検討した。 種々の-ビナフチルジアルキルホスフィン配位子を合成し、反応条件も含めて探索した。触媒として塩化パラジウム、2-ビナフチルジシクロペンチルホスフィンの2'位の置換基がアルコキシ基のものを用い、ベンゼン-メタノール溶媒中、2-メトキシ-6-ビニルナフタレンのヒドロエステル化反応を30気圧、40℃で行ったところ反応は完全な位置選択性をともなって進行し、特にアルコキシ基がt-BuOのとき、得られるナプロキセンメチルエステルのエナンチオンマー過剰率は最高の51%を認めた。以上のようにこれらの検討結果により、これまでの触媒系にくらべ、活性および位置選択性が非常に高く、またエナンチオ選択性も中程度の触媒系を見いだすことに成功した。
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