研究課題/領域番号 |
00J03536
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青木 純子 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 神経突起 / 細胞骨格 / Rho / 三量体Gタンパク質 / 細胞内情報伝達 |
研究概要 |
神経回路は特異的な細胞極性を示す神経細胞が、その神経突起を介した接着により形成される複雑なネットワークシステムである。この神経突起形成に低分子量Gタンパク質Rhoファミリーが深く関与しており、細胞骨格の再構築により、Rhoは神経突起の退縮を、RacとCdc42は突起の慎重を引き起こすことが知られている。しかし、Rhoファミリーにはほかに様々な種類のGタンパク質が存在するがそれらの機能はほとんど不明である。我々は中枢神経系に特異的に発現しているがその機能はほとんど不明なRnd1の神経細胞の突起形成における役割とそのメカニズムを検討した。 Rnd1をPC12細胞の発現させると細い多数の突起形成を引き起こした。Rnd1は細胞辺縁部のcortical actin filamentを消失させ、アクチン重合阻害剤であるcytochalasin D処理によっても同様の神経突起形成が起きた。また、このような突起形成はRhoを抑制するC3酵素処理によってもミミックできたので、Rnd1はRhoの機能を抑制することにより神経突起の形成を引き起こすのではないかと推察された。そこで、Rhoの機能発現のどのステップにRnd1が作用するのかを次に検討した。Rhoを活性化することが知られている上流の三量体Gタンパク質G13の常時活性化体であるGα13QLをHEK293T細胞に発現させ、Rhoの活性をGST-RBDを用いたpull-down法で測定した結果、Gα13QLはRhoを活性化したが、Rnd1を共発現させるとこの活性化は著しく抑制された。一方、Rhoの活性化因子であるRhoGEFはRhoを活性化したが、このRho活性化はRnd1によって抑制されなかった。これらの結果より、Rnd1はG13からRhoGEFの間の段階でこの経路を抑制することがわかった。さらにこの抑制メカニズムを詳しく調べるために、Gα13とRhoGEFの相互作用に対するRnd1の効果を、免疫沈降法を用いて調べたところ、Gα13はRhoGEFの免疫沈降物の中に検出されるが、Rnd1を共発現させるとこの相互作用は抑制された。このことより、Rnd1はGα3とRhoGEFの相互作用を抑制することによってRhoの活性を低下させることが明らかとなった。
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