配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
本年度は,前年度に引き続き根室層群の補足的調査を行い、岩石試料のサンプリングを行った。すでに,前年度までの調査から,根室層群は重力流堆積物の発達する深海堆積物であることが明らかになっており,その堆積相解析結果は本年度投稿論文(成瀬,印刷中)としてまとめられた。加えて,さらに詳細な堆積環境の変遷を明らかにするため,本年度は根室層群の塊状重力流堆積物に対して新たに開発した高解像度粒子配列解析法を適用し,その堆積プロセスを推定した。また,あわせて重力流実験を行い,それによって生じた実験堆積物に対しても同様の解析をすることで,野外調査で得られたデータが再現されるかについて検証を行った。これらの結果は今後投稿論文として公表される予定である。 さらに,本年度は国際深海掘削計画(ODP)Leg192.「オントンジャワ海台の掘削」に参加して得られたデータをまとめた。このプロジェクトは白亜紀中期に地球環境に大きなインパクトを与えたとされるオントンジャワ海台の噴火活動の様式を解明することが目的である。白亜紀の古環境変動という点では,オントンジャワ海台の噴火活動は根室層群から得られるデータに大いに関連する可能性のある現象である。このプロジェクトで私が行ったのはオントンジャワ海台で発見された火山砕屑物サクセッションの堆積相解析であり,このサクセッションがほとんど重力流堆積物で構成されていて,おそらく一回の海退および海進によって形成されたこと,粒子配列解析の結果から火山砕屑物の供給源がおそらく北方に存在していたであろうことなどを明らかにすることができた。この結果の一部はすでに投稿論文(佐野・成瀬,印刷中)としてまとめられており,今後もより詳細な結果をまとめて投稿する予定である。
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