研究課題/領域番号 |
00J03667
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
有機工業化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 智昭 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ゲルマニウム化合物 / ハロゲン化アリール / クロスカップリング反応 / 炭素-炭素結合形成反応 / パラジウム触媒 / フッ化物イオン |
研究概要 |
DMF中、トリ(2-フリル)ゲルマンとヨウ化アリールに対し、炭酸セシウムの存在下、0価パラジウム触媒を作用させると、カップリング体であるアリールトリ(2-フリル)ゲルマンが得られた。同様の反応をトリアルキルシランやトリアルキルスタナンで行うと、カップリング反応ではなく、ハロゲンの還元反応が進行する。 有機金属反応剤と有機ハロゲン化物とのクロスカップリング反応は、極めて有用な炭素-炭素結合形成反応である。有機スズ化合物、有機ケイ素化合物を用いたクロスカップリング反応は、有機合成に広く用いられている。これに対し、有機ゲルマニウム化合物を用いたクロスカップリング反応は、これまでほとんど報告例が無い。これは、ゲルマニウムがケイ素やスズに比べ電気的に陰性であり、炭素ゲルマニウム結合の分極が小さいため、ゲルマニウムからパラジウムへのトランスメタル化が困難であることが原因である。そのため、有機ゲルマニウム化合物を用いるクロスカップリング反応では、炭素-ゲルマニウム結合の活性化が必要となる。そこで、有機ケイ素化合物のカップリング反応と同様に、フッ化物イオンによる活性化を試みた。 上述の反応で得たアリールトリ(2-フリル)ゲルマンとハロゲン化アリールの混合溶液に、パラジウム触媒とアリールゲルマンに対し4当量のフッ化テトラブチルアンモニウムを作用させ100℃に加熱すると、クロスカップリング反応が進行し、ビアリールが高収率で得られた。フッ化物イオンによりゲルマニウム上のフリル基が選択的に切断され、[ArGe(OH)_3F]-のような高配位のゲルマニウム種が生成し、ゲルマニウムからパラジウムヘのトランスメタル化が促進されているものと考えられる。
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