研究課題/領域番号 |
00J03882
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中野 智章 名古屋大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD) (90469627)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 古代エジプト / 王権 / 考古学 / 文明形成 / 文様 |
研究概要 |
本年度は特別研究員在籍の最終年度にあたるため、当該研究を統括すべく資料の収集並びに研究成果の公表に務めた。主な実績は以下の3点である。 第1の実績は、初年度から取り組んできた、大英博物館等における王像資料の調査を本年度をもってほぼ完了し、その分析結果を、「古代エジプトの王権研究における新視点」と題して近々発刊される、『古代エジプトの歴史と社会』(同成社)に発表できたことである。本論文では、古代エジプトにおいて王は家紋とも言うべき特殊な文様を3000年の長きに亘って用い、その意匠は王権の正統性誇示など、様々な場面で用いられたことを具体的な資料を使って明らかにしたが、本書は広く世間一般に認知されると思われることから、他地域の王権研究についても、時代の如何を問わず重要な提言となることが期待できる。 第2の実績は、当該研究の成果を採り入れた著書『ピラミッドの起源-サッカラに最古の王墓地は存在したか』(同成社)の原稿をほぼ完成することができ、平成15年中における出版の目途が立ったことである。本成果は、上の『古代エジプトの歴史と社会』に発表した論文と合わせ、王像等に刻まれる特殊な文様から見た王権観の把握という、これまでとは全く異なる研究のスタイルを学界に提示するものとなる。 第3の実績は、当該研究の成果を毎年様々な形で公表してきたことを通じ、国内のみならず、海外の研究者とも幅広く知り合うことが可能になり、その結果、今年度末は特別研究員任期終了後に、エジプト初期王朝時代研究のメッカであるドイツのミュンスター大学に、客員研究員として一定期間滞在する道が開けたことである。これは、同大学教員のヨヘイム・カール博士並びにエバ・エンゲル女史が当科学研究費補助金によるこれまでの研究成果を認めて下さった上でのご招待によるもので、今後は一連の研究成果を国内からより世界的なレベルへと広く公表できるよう努めていきたい。
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