研究課題/領域番号 |
00J04272
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
武井 佳史 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ミッドカイン / ヘパリン結合性成長因子 / アンチセンス / 癌 / 治療 / ヌードマウス / 遺伝子導入 |
研究概要 |
ヒト・ミッドカイン合成を抑制するアンチセンス・オリゴの作製と癌治療への応用に関する研究 ヘパリン結合性成長因子ミッドカイン(Midkine, MK)は細胞をトランスフォームし、線溶系の亢進や血管新生作用を有することから、MKが癌の発生や進展に関与していると考えられた。そこでMK活性を阻害するアンチセンス・オリゴを作製し、これを用いた癌治療への応用性を検討した。マウスMKに対するアンチセンス・オリゴについては、すでに論文発表(Y.Takei et al. Cancer Res. 61,8486-8491:2001)済みなので今回、ヒトMKの合成を阻害する新規アンチセンス・オリゴ(ホスホロチオエート骨格およびモルフォリノ骨格を有する2種)の開発を行い、以下に示すような知見を得た。 (1)すでにマウスMK合成を阻害可能なアンチセンスDNAの開発に成功しているので、マウスMKにおける標的部位を参考にして、ヒトMK合成を阻害可能なホスホロチオエート型アンチセンスDNA(MK AS-h01)を合成した。合成したオリゴDNAをMKを培養上清中に分泌しているヒト前立腺癌細胞(PC-3)に投与した。遺伝子導入剤として陽イオン性リポソーム試薬、リポフェクトアミン-プラスを用いた。その結果、MK AS-h01投与によってPC-3のMK合成が有意に抑制されることが明らかとなった。センス配列を有するコントロールは効果がなかった。 (2)昨年度から開発を行ってきたMK Morpholino ASをPC-3細胞に投与すると、同細胞のMK合成量が減少し、かつin vitroにおける同細胞の増殖能力も減少することが明らかとなった。PC-3をヌードマウス皮下に移植して作成した腫瘍に、MK Morpholino ASを注入すると腫瘍の増大が有意に抑制された。MKを分子標的とした新たな癌治療法の可能性を明示する結果と考えられた。
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