研究課題/領域番号 |
00J04274
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物物理学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
依光 朋宏 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2000 – 2002
|
研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
|
配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 細菌べん毛 / ナトリウムイオン駆動 / 静電相互作用 / トルク発生 / ビブリオ菌 |
研究概要 |
V.alginolyticusのNa^+駆動型べん毛モーターのトルク発生には回転子であるFliGと固定子であるPomAの相互作用が必要であると考えられている。H^+駆動型モーターではPomAの相同因子MotAの荷電アミノ酸残基と回転子構成因子FliGの荷電残基間での静電的相互作用がトルク発生に関与しているというモデルが提唱されている。これらの残基はNa^+駆動型べん毛モーターのPomA、FliGにも保存されているが、これまでに私はPomAの荷電残基はトルク発生に必須ではないことを示した。そこでNa^+駆動型べん毛モーターFliGの荷電残基への変異導入を行い、トルク発生モデルのさらなる検証を試みた。FliGのK284、R301、D308、D309、R317をそれぞれAlaに置換した。大腸菌FliGの場合と同様に、変異をそれぞれ単独で持つFliGを発現している菌体は運動能を保持していた。次にこれらの変異を組み合わせ二重変異をPomAに導入したが大腸菌FliGで完全に機能を失うR301A/D308A、R301A/D309Aだけでなくすべての二重変異FliGを発現する菌体が野生型と同レベルの遊泳能を保持した。大腸菌FliGで静電的相互作用に関わる最小単位であると推定されいる3つの残基に関する変異体R301A/D308A/D309A、R301A/D309N/D309Nでもswarm能の低下は見られたが遊泳能は野生型と同レベルであった。以上の結果より、共通であると考えられていたH^+駆動型べん毛モーターとNa^+駆動型モーターのトルク発生機構であるが、H^+駆動型モーターの回転子の推定トルク発生領域中の荷電残基がNa^+駆動型モーターではトルク発生に必須ではないことが示唆された。
|