研究課題/領域番号 |
00J04350
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
層位・古生物学
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 (2001-2002) 国立科学博物館 (2000) |
研究代表者 |
渡邊 剛 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | サンゴ骨格 / 地球温暖化 / エル・ニーニョ / 気候復元 / 西太平洋暖水塊 / 酸素同位体比 / 炭素同位体比 |
研究概要 |
インドネシア産のサンゴ骨格を用いて、過去の西太平洋暖水塊の変動システムを解明することを目標に、研究計画に従って、前年度に引き続き、インドネシアから採取されたサンゴ骨格を用いて以下の項目を行った。 1.前年度までに、西太平洋暖水塊の中心部であるインドネシアのサンゴコアをオーストラリア国立大学の安定同位体比質量分析計を用いてサンゴ骨格の酸素・炭素同位体比を測定し、微量元素分析計(TIMS ; Thermal Ionization Mass Spectrometry)を用いてストロンチウム、カルシウム濃度を測定した。 2.西太平洋暖水塊の境界に位置するニューカレドニアのサンゴコアについても上記と同様の測定を行った。 3.さらに、それらの結果を現場の気象データ、衛星データと比較検討した。 4.これらの結果をサンゴ礁学会などで発表し、他のサンゴ骨格の研究者と議論した。それらの成果を、Geochimica et Cosmochimica Actaなどの欧文紙に発表した。 以上の計画の遂行により、以下のことが明らかになった。 1.サンゴ骨格を用いて過去の気候を復元するという研究は近年、盛んになってきたが、インド・太平洋地域で主に用いられてきたのはPoritesというサンゴ種であった。しかし、これらは成長速度や骨格機構に欠点も見られることから、新たなサンゴ種を用いた検討がなされてきた。今回、インドネシア産のDiploastrea属を用いて気候復元のツールとしての可能性を試み、この属がエルニーニョ現象などの気候復元に有用であることを示した。 2.西太平洋暖水塊の中心部であるインドネシアと境界部であるニューカレドニアというそれぞれ気象条件も地理的状況も大幅に異なる2地点から得られたサンゴ骨格に、エルニーニョ現象に伴う大気、海洋表層の水温、降水量、蒸発量の変動が明瞭に記録されていることが明らかになった。 3.今後、暖水塊地域で、化石が多産し続成作用にも強いDiploastrea属を用いることによって、Holoceneにおけるエルニーニョ現象を高解像度で復元できる可能牲が示唆された。
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