配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
近年の数値シミュレーションによって確認されている乱流中の管状渦構造は,生成消滅を繰り返しながら常に存在することから乱流運動を理解する上で重要な役割を演じているものと考えられている.本研究では,圧力の極小値を結ぶ線を中心軸とし,圧力の変曲面を渦管と定義する低圧力渦によって管状渦構造を抽出し,解析を行った.低圧力渦による手法は渦管を構成する手続き内に恣意的なパラメータを含まないという著しい特徴がある.乱流中に管状渦は無数に存在し,かつ個々の渦が分裂,結合といった複雑な過程をたどる.この一連の過程を開発した自動追跡のアルゴリズムで追跡した結果,渦が崩壊する原因として,近くに反平行な渦が存在し,お互いに影響しあう場合があることを確認した.さらにこれらの反平行渦は乱流中に頻繁に観察されることも分かった.一方,管状渦がレイノルズ数の大きい極限でも安定に存在し,かつ重要な役割を果たし続けるかについての詳細は分かっていない.そこで56から174の間で異なる4個のレイノルズ数に対して一様等方性乱流の直接数値計算を行い,低圧力渦の物理特性のレイノルズ数依存性を調べた.この結果,低圧力渦は,直径がコルモゴロフ長の約10倍,体積が計算領域の約30%,旋回速度がコルモゴロフ速度の約3倍と特徴づけられた.これらの物理量がレイノルズ数に依存せず一定であることから,低圧力渦は大きなレイノルズ数においても普遍的に存在し続けることが推測された.さらに管状渦の空間分布の特性長を表す測度として新しく交差数を導入した.交差数は2次元面への渦軸の射影による交点の数で定義される.異なるレイノルズ数の流れ場に対して公差数を調べることによって管状渦の空間分布はコルモゴロフ長とテイラー長の間で特徴づけられることが分かった.
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