研究課題/領域番号 |
00J05580
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
岡本 真希子 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 朝鮮総督府 / 台湾総督府 / 植民地官僚 / 「帝国」 / 人事制度 / 枢密院 / 植民地在勤加俸制度 |
研究概要 |
本研究は、「国民国家」の基本要素の一つである「政治参加」に関する諸問題を、近代日本における植民地問題を含めて検証することによって)「国民国家」と「帝国」の両側面をもつ「大日本帝国」史像を構築することをめざすものである。これにより、従来は朝鮮・台湾そして日本本国(「内地」)と、個別に検証されてきた植民地支配政策の相互連関や、一枚岩ではない支配層内部の相互矛盾などを明らかし、日本史・朝鮮史・台湾史の架橋をめざそうとするものである。こうした観点にたちながら、今年度においては、昨年度に引き続き植民地統治を担っていた植民地官僚に関する研究と、植民地統治政策や植民地関係人事の重要なアクターとなっていた枢密院の動向について、研究を進めた。 昨年度に引き続き進めてきた植民地官僚に関する研究として行った口頭報告では(「植民地在勤加俸削減問題と朝鮮統治体制」朝鮮史研究会関東部会、2002年4月例会)、本国在勤官僚には支給されず植民地官僚の特権であった「植民地在勤加俸」の削減を1930年代初頭に企図した政党内閣の方針と、本国政府の介入を排除しようとする朝鮮統治当局とその下級官僚たちの大規模な反対運動との対立の政治過程を検討することで、1930年代初頭の植民地統治体制について論じ、本国-植民地にまたがる政治史の構築を試みた。 また、論文においては、主として近代日本史において「憲法の番人」「内閣の鬼門」と称された枢密院が、実質的に憲法が施行されず内閣制度とは異なる統治体制下にあった植民地の諸問題に関して、いかなる役割を果たしたのかを明らかにした。従来は国内政治や外交問題との関係から論じられてきた枢密院という存在が、植民地問題において関与した諸事実を発掘することで、植民地支配の担い手の重層的な構造を検証した。
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