研究課題/領域番号 |
00J06184
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笹尾 和宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Mn系反強磁性合金 / 高ネール温度 / γ相安定化 |
研究概要 |
MnRu系を実用材料として用いるためには他元素添加によりγ相を安定化する必要があるが、添加元素の種類・量によりネール温度が著しく変化し、結晶構造にひずみを生じるため、実用に適したネール温度・結晶構造を得るための指針を得ることが重要である。本年度は前年度までに報告した置換型元素の添加(Rh,Ga)に引き続き、侵入型元素Cの添加を行った。この結果Mn濃度80at.%においてCは3at.%程度まで侵入し、fcc-γ相を安定化する一方、2at.%の少量の添加でもγ相を安定化できることが判った。また、侵入型元素によっても添加元素濃度の低下に伴いfct(c>a)相への格子ひずみを生じることが明らかになった。以上の結果を元に、γ-Mn系合金の状態図を系統的に検討した結果γ-Mn-遷移金属合金では、遷移金属元素の原子番号の増大とともにネール温度の低下が著しく、またfct(c<a)相となる組成範囲が広がり、fco相,fct(c>a)相の存在する組成範囲が狭くなる傾向が周期表上のいずれの周期においても認められる。一方で、非遷移金属添加であり、Mnサイトのd電子数がほとんど変化しないとみなせるγ-MnGa合金はその傾向には従わない。すなわち、γ-Mn不規則相合金における格子ひずみの組成依存性は、Mnサイトのd電子数によって説明されると結論される。 また、関連物質として前年度より検討しているγMnIr合金においてX線回折測定より求めた結晶構造相変態温度T_<fct/fcc>と磁化測定より求めた磁気構造相変態温度T_<2Q/3Q>が異なることが確認された。従来、これらの温度は一致すると考えられてきたが、第一原理計算より、必ずしもこの温度が一致しないことが確かめられた。また、fcc相の磁気構造は3Q構造であった。
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