研究課題/領域番号 |
00J06528
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
細胞生物学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
深田 優子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 低分子量G蛋白質 / Rho / Rho-キナーゼ / CRMP-2 / 微小管 / 神経軸索 / チューブリン / Numb |
研究概要 |
神経細胞は軸索と樹状突起という形態的、機能的に異なる2種類の突起を持った極性を有し、樹状突起から信号を入力して軸索から信号を出力する。しかし、いかなる分子機構によって未成熟な突起が軸索あるいは樹状突起へと運命決定づけられるのか不明であった。低分子量GTP結合蛋白質Rhoの標的蛋白質Rho-キナーゼの主要な脳内基質蛋白質として同定されたCollapsin response mediator protein-2(CRMP-2)は発生段階の神経組織に高レベルに発現し、神経細胞では軸索の遠位側に濃縮して存在する。一次培養海馬神経細胞にCRMP-2を高レベルに発現させると、通常1本である軸索が複数形成される。さらに、CRMP-2のドミナントネガティヴ体を発現させると、軸索の形成が阻害されて樹状突起のみを持つ神経細胞が生じる(稲垣ら,Nature Neuroscience,2001)。以上の結果は、CRMP-2が未成熟な突起から軸索への運命決定に必要かつ十分であり、CRMP-2が神経細胞の極性形成および維持に重要な役割を果たすことを示している。申請者はCRMP-2の作用機構を明らかにする目的で、CRMP-2に特異的に結合する分子を網羅的に探索した。アフィニティーカラムクロマトグラフィー法により微小管構成蛋白質であるチューブリンをCRMP-2結合蛋白質として同定した。CRMP-2は重合微小管に結合するよりむしろチューブリンのヘテロ2量体と複合体を形成し、微小管重合を促進して軸索の伸長や分枝を制御していることを明らかにした(Fukata et al., Nat. Cell Biol. 2002)。さらに、Rho-キナーゼによりCRMP-2がリン酸化されるとCRMP-2のチューブリン2量体への結合能が低下することを見出した(投稿準備中)。また、申請者らはYeast two-hybrid法によりCRMP-2結合蛋白質としてNumbを同定した。Notchシグナルの活性化を抑制する神経幹細胞の運命決定因子として知られるNumbは、最近AP-2を介してクラスリン依存性エンドサイトーシスに関与することが報告されている。申請者らは非神経細胞であるVero細胞において、Numbはある限られた領域のエンドサイトーシス構成因子として機能することを見出した。Vero細胞においてCRMP-2のドミナントネガティヴ体はNumbの局在化を阻害し、トランスフェリン受容体のエンドサイトーシスを阻害した。さらに、分化した海馬神経細胞において、Numbが接着因子であるL1の成長円錐におけるエンドサイトーシスを介して、軸索の伸長を制御することを見出した。CRMP-2のドミナントネガティヴ体はL1のエンドサイトーシスを阻害した(投稿準備中)。CRMP-2は微小管だけでなくNumbを介して軸索の伸長を制御するものと考えられる。本年度の研究計画はほぼ達成することができたと考えている。
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