研究課題/領域番号 |
00J07270
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
福田 綾 埼玉医科大学, 医学部, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | RNAポリメラーゼII / 転写制御 / TFIIH / 3'-5'ヘリカーゼ / プロモーターエスケープ |
研究概要 |
当研究ではこれまで、RNAポリメラーゼII(Pol II)による遺伝子の転写調節機構について、基本転写因子TFIIHを中心に解析を行い、転写活性化にTFIIH 3'-5'ヘリカーゼ活性が必須であることを明らかにした(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 99, 1206-1211, 2002)。今年度はPol IIによる転写調節についてさらに詳細に調べるため、当初の計画をさらに発展させ、コアクチベーターPC4の役割について解析した。はじめに試験管内での転写産物を定量的に解析した結果、PC4が転写開始前のみならず開始後のプロモーターエスケープ(転写開始から伸長への移行段階)の促進にも必要であることがわかった。転写活性化の際のプロモーターエスケープの促進にはTFIIHも重要であることが当研究の解析よりわかっていたため、PC4とTFIIHとの相互作用をGST-pull downアッセイにより調べた。その結果、PC4がTFIIHと結合することが明らかになり、さらにPC4のコアクチベーター領域がTFIIHやGAL4-VP16(アクチベーター)との結合に重要であることがPC4の欠失変異体を用いた解析よりわかった。さらに、より多様な転写調節について調べるため、癌遺伝子c-fosを用い、試験管内転写システムを確立した。種々の解析の結果、c-fos遺伝子の転写活性化にもTFIIH 3'-5'ヘリカーゼ活性やPC4が重要であることがわかり、またHeLa細胞の核抽出液中に少なくとも2つのコアクチベーター活性を見出した。 以上の結果より、当研究ではGAL4-VP16やPC4がTFIIHと相互作用し、3'-5'ヘリカーゼ活性を介してプロモーターエスケープを促進することが転写活性化の重要な一つのメカニズムであることを初めて明らかにした。また広範な遺伝子の転写制御にTFIIH 3'-5'ヘリカーゼ活性が重要であることも示唆された。生体内では、プロモーターエスケープ以外にも転写の各段階を制御するさまざまな因子が遺伝子上に集合し、巧みにその転写調節を行っていると考えられる。
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