研究課題/領域番号 |
00J07945
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 東京大学 (2001-2002) 群馬大学 (2000) |
研究代表者 |
曽田 泰 東京大学, 医科学研究所, 助手
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / コモンマーモセット / ヒト造血キメラ / シュードタイプレンチウィルスベクター / 染色体DNA / 遺伝子組み込み / NOD-SCIDマウス / DNAマイクロアレイ |
研究概要 |
本研究では、ヒト造血幹細胞をコモンマーモセットに移植し、ヒト造血キメラを作成する事を目的としている。昨年度までに、水疱性口内炎ウイルス(VSV)シュードタイプレンチウイルスベクター[HIV(VSV)]が造血幹細胞を含むヒト血液細胞に対し、非常に優れた遺伝子導入効率および長時間安定した遺伝子発現を示すことを報告した。すなわち、ヒト造血肝細胞でほぼ100%の細胞に遺伝子導入が可能となり、また、増殖能、生存率、分化能および細胞表面抗原の発現にも影響を及ぼさないことが判った。造血細胞コロニーアッセイでも、HIV(VSV)ベクターにより100%のコロニーで導入遺伝子が認められた。また、染色体DNAへの組み込みも全てのコロニーで確認された。一方、これまで頻用されてきたマウス白血病ウイルスベクターの改良も行ったが、VSVシュードタイプ化後も造血細胞への遺伝子導入効率は100%地殻まで達したものの、染色体DNAへの組み込みはわずか、5%にすぎなかった。従って、効率よい染色体DNAへの組み込み効率がHIV(VSV)ベクターによる導入遺伝子の長期安定発現への大きな要因と考えられた。今年度は、レンチウイルスベクターによる遺伝子導入が造血細胞の遺伝子発現に及ぼす影響をDNA microarray法で解析したが、23,000種類の遺伝子発現に対してこの遺伝子導入法自体は殆ど影響をおよぼさず、安全性の高い方法であることが確認された。従って、ヒト造血モデル動物の作製においてほぼ理想的な遺伝子導入系が確立されたと考えられる。さらに、この方法で遺伝子導入した造血幹細胞をNOD-SCIDマウスに移植したところ、種々の分化段階の血液細胞におよぶ造血キメラが成立することが確認されたことを昨年報告したが、今年度は、正常免疫照射マウスへの移植実験を行った。500cGy以上の照射にて造血キメラの成立が確認されたが、NK細胞を抗Asialo-GM1抗体にて抑制する前処置により、さらに照射量を減らしてキメリズムを成立させることが可能であった。GFP遺伝子導入造血幹細胞を移植した場合にも同様の結果が得られたので、現在、多剤耐性(MDR)遺伝子導入肝細胞移植実験を開始している。今後、このマウスモデルにおいてin vivoでのヒト造血細胞の薬剤選択が可能であるか検討し、さらにコモンマーモセットもでるでの検討を行う予定である。
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