研究課題/領域番号 |
00J07984
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
美術史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
尾関 幸 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ヨハン・エルトマン・フンメル / ホラティウス / ヴィーラント / 諷刺詩 / 魔女のイメージ / 啓蒙主義 / パラゴーネ / 美術アカデミー |
研究概要 |
1 生成14年度は、エルトマン・フンメルが1848年のベルリン・アカデミー展覧会で発表した油彩画《カニディアとサガナ》の研究を更に進め、この作品の典拠となったホラティウスの「諷刺詩」代八章にホラティウス自身の自伝的要素を汲みとろうとする試みが、ヴィーラントによるドイツ語訳のみならず、それ以前の注釈者達にも広く存在していたこと、更にその際、ホラティウスの「抒情詩」第17章との内容的関連がその根拠となっていることを明らかにした。次にこの作品(「カニディアとサガナ」)を含め、アルミーダ(「解放されたイエルサレム」)や、メディア(「アルゴナウティカ」)など、その他の文学作品に取材したフンメル作品に顕れる。こういった魔女のイメージが、その全画業に通底する啓蒙主義思想と対をなすものであることを指摘した。この成果は9月21日に早稲田大学で開催された美学会例会で発表し、その際プリアプス神の図像表現を、同時代、或いは歴史的視点から挙げるべきとの指摘をうけて、現在「美学」投稿のため改稿中である。 2 当該研究のためドイツのベルリンで調査を行ったが、その際平成13年度に執筆した論文「Die Rolle der Perspektive in der Kunst Johann Erdmann Hummels」の一部をベルリン自由大学にて口答発表した。 3 ケルンで開催された展覧会「諸芸術の競合」を見学した。これは主にアカデミーによる芸術の体系化が進み、芸術制作という行為自体を主題とする芸術作品が多く制作された17世紀北欧での「パラゴーネ」議論の受容と、制作における実践を跡付けた展覧会である。展覧会評は「西洋美術研究」で発表予定である。
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