研究課題/領域番号 |
00J09644
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物理学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森瀬 博史 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ボース・アインシュタイン凝縮 / 引力相互作用 / 平均場近似 / ダイナミクス / 波動函数の崩壊 / 非線形シュレーディンガー方程式 / 偏微分方程式の数値解法 |
研究概要 |
引力相互作用するトラップされたボース凝縮体は、相互作用の効果が十分に大きくなるとエネルギー的に安定に存在できないことが知られているが、動的な振る舞いについては、十分に理解されているとは言い難い。本研究では、まず、温度が十分に低い(エネルギーが小さい)ことから非凝縮原子の存在を無視した平均場理論に基づいてダイナミクスを調べた。特に、本年の研究では、凝縮体の形状の多様性や3体以上の相互作用が働く場合なども考慮に入れ、一般次元で、非線形項が一般の次数を持つ場合の非線形シュレディンガー方程式の解析を行なった。また、不安定化(崩壊)は中心への集束という形で起こるため、渦状態のようなコアをもつ凝縮体が崩壊するかどうかは興味深い問題である。相互作用の強さを十分大きく取ればこの場合も崩壊が起こることを数学的に示した。また、崩壊の条件として得られる臨界粒子数について、最近の実験での値は理論値よりも小さな値をとるが、これは、ダイナミクスを考えることによって説明ができることを示した。本研究の特に重要な結果の一つは凝縮体に異方性(変形の自由度)を導入すると、変形振動が起こり、崩壊が妨げられるということである。この変数振動の非線形性やあるいは古典流体の運動との違いなどを見るために、2次元以上の時間発展非線形シュレディンガー方程式を数値的に解く方法を考えた。系の非一様性が極めて強くなる場合を取り扱うために、波動函数の振幅の大小によって密度が変化するような座標系で差分化を行い、また2次元の場を実用的な計算時間で扱うための工夫も加えた方法を開発し、これがうまく働くことを確かめた。本年で3年間の研究期間は終了となるが、この方法を使って上で述べたような問題や、凝縮体の量子ゆらぎに対する安定性などの問題を調べることが今後の興味深い課題であると考えている。
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