研究課題/領域番号 |
00J09789
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
水産化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
伊藤 裕才 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | メタロプロテアーゼ / カルボキシペプチダーゼA / 藍藻 / anabaenopeptin / シデロフォア |
研究概要 |
メタロプロテアーゼの代表的酵素であるカルボキシペプチダーゼA(CPA)に対する強力な阻害活性をしめした淡水産藍藻Oscillatoria agardhii由来の環状ペプチドanabaenopeptin Gについて、CPAによる基質認識部位がウレイド結合の先にあるアミノ酸残基であり、また類縁体の合成から環構造が開いた直鎖型anabaenopeptinは不活性であることを確認している。そこで環構造のどの部位が活性発現に必要かを評価するために、まず全てのanabaenopeptinに必ず含まれている_L-homotyrosine残基とN-Meアミノ酸および_D-Lys残基の活性発現への寄与を検討した。これら目標のアミノ酸残基を他の残基に置換した類縁体を合成し活性の評価を行った結果、興味深いことに、_L-homotyrosine残基を_L-Alaに変換したものでも活性は同程度に維持された。またN-Me-_L-Alaを_L-Ala残基に、さらに_D-Lysを_L-Lysに改変した類縁体においても活性は維持された。このことよりanabaenopeptin Gの阻害機構は、環状構造部の残基は直接的には活性発現には関与していないことが判明し、環構造全体のコンフォメーションが阻害に寄与しているのでないかと考えられた。現在、環構造を構成するアミノ酸数を増減させた類縁体を作成中であり、どの程度の環の大きさで阻害活性が維持されるかを検討中である。 また新規メタロプロテアーゼ阻害物質の探索のひとつとして、各種らん藻の培養上清中の金属キレート活性をCAS法による鉄キレート活性によって評価したところ、らん藻Anabaena variabilis NIES-23株の培養濾液に強力な鉄キレート活性を認めた為、活性本体としてschizokinenを逆相クロマトグラフィーを用いて単離・精製し、NMRおよびMSを用いて構造決定を行った。本物質は鉄欠乏培地で培養すると大量に培地中に確認されることから、微生物が鉄欠乏下で鉄獲得の為に生合成するシデロフォアの一つであると考えられる。昨年単離したA. cylindrica NIES-19由来のanachelinsは残念ながらCPAには活性を示さなかった。現在schizokinenがCPAおよび他の金属プロテアーゼに対して阻害活性をもつか調査中である。
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