配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2002年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
高密度光記録を実現する光ヘッドとして,近接場光を生成する金属微小開口面発光レーザを提案し,その製作,評価を行ってきた.しかし微小開口部のパワー密度は,熱記録に要求される2桁ほど低い値しか得られていない. 近接場の電界増強手法として,金属表面におけるプラズモン共鳴を利用する手法が報告されているが,金属微小開口面発光レーザの開口近傍に周期構造を導入することにより,表面プラズモンを励起でき,近接場強度を増強できる可能性がある. 近接場強度の構造周期依存性を調べるため,2次元の有限要素法を用い,微小開口の周りに格子構造をもつ金属薄膜上の強度分布を解析した.開口部の強度は,周期により最大で8倍ほどに増加したが,3次元においてはさらなる増加が期待される.また開口部の強度は,共鳴時においても,格子の周期,溝の深さなどにより大きく変化するプラズモンの分布状態(モード)に依存することがわかった.最適な周期,深さを設計し,格子の凸部と溝の中に電界の節をもつようなプラズモンの共鳴モードを選択することにより,開口部にも電界を集中させることができ,微小開口の透過率を向上させることができる. 実際に,出射側に14ペアの多層膜反射鏡をもつ波長850nmのGaAs/GaAlAs面発光レーザをベースに,同心円状の周期構造をもつ金属微小開口面発光レーザを製作した. 近接場光学顕微鏡を用いて出射面強度分布を観測したところ,開口部のピークの周りに表面プラズモンによると考えられる波紋状の強度分布が観測された.また,周期構造をもたないサンプルと比較すると,最大で8倍ほどの強度増加が得られた. 周期構造による反射率低下問題の改善,金属膜質の向上や周期構造形成プロセスの改善などにより,さらなる増強が期待される.
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