研究課題/領域番号 |
00J61002
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
柳澤 夕佳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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研究課題ステータス |
完了 (2002年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2002年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | メチル化 / DNMT3 / 転写開始部位 / プロモーター |
研究概要 |
近年、種々の臓器由来の腫瘍で癌関連遺伝子がde novoメチル化により不活性化されているという報告が数多くなされ、de novoメチル化の発癌への関与が示唆された。そこで、de novoメチル化活性を持つDNAメチルトランスフェラーゼ遺伝子の制御機構を明らかにすることが癌化を解明する上で重要と考え、本研究では主としてDNMT3A、3Bの発現制御領域の解析を行ってきた。 オリゴ・キャップ法によりmRNAの5'末端を解析した結果、DNMT3A、3Bは染色体上の離れた位置に複数の転写開始部位を持ち、異なるエキソン1を有する複数の転写産物を発現していた。さらにプロモーター領域の解析により、DNMT3A、3Bは高CpG含有プロモーターと低CpG含有プロモーターの二種類のプロモーターにより制御されていることを明らかにした(論文にて発表)。DNMT1もCpG含量の異なる二種類のプロモーターを持つため、DNMTファミリーの発現は複数のプロモーターによる複雑な機構で制御されていると考えられる。 また、薬剤処理により分化誘導した癌細胞ではDNMT3A、3Bの転写開始部位が変化しており、分化過程で異なる発現制御機構が働いていると考えられた。分化や癌化の過程でゲノムのメチル化状態が変化することが認められているため、プロモーター領域のメチル化の変化がDNMT3A、3Bの転写開始部位の変化と関連がある可能性がある。本研究でDNMT3A、3Bのプロモーター領域を同定したことにより、プロモーター領域におけるメチル化の解析がはじめて可能になった。プロモーター領域の一部についてメチル化を解析した結果、DMMT3Aでは高CpG含有プロモーターはほとんどメチル化されておらず、低CpG含有プロモーターはメチル化されていた。今後、反応条件を確立させたBisulfite sequencing法により個々のCpG部位におけるメチル化状態の検討が必要である。
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