研究課題/領域番号 |
01010006
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菅村 和夫 東北大学, 医学部, 教授 (20117360)
|
研究分担者 |
戸澤 秀樹 北里大学, 衛生学部, 教授 (90104562)
宮本 勉 長崎大学, 医学部, 教授 (10004582)
星野 洪郎 群馬大学, 医学部, 教授 (00107434)
速水 正憲 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (40072946)
園田 俊郎 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (40036463)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
1989年度: 22,000千円 (直接経費: 22,000千円)
|
キーワード | 成人T細胞白血病 / HTLVーI / p40^<tax> / DNA結合因子 / 抗HTLVーI抗体 / 感染防御 |
研究概要 |
本研究班では(1)HVLVーIによる発癌分子機構(2)HTLVーI感染防御機構、(3)成人T細胞白血病(ATL)発症のモデル動物実験系に関する研究を行っている。本年度はHTLVーI発癌分子機構の中で特にp40^<tax>の機能解析について大きな進展がみられた。HTLVーIのpX遺伝子にコードされるp40^<tax>は、ウイルス自身の遺伝子ばかりではなく、種々の細胞側遺伝子の転写活性を誘導するが、DNAへの直接の結合能はない。そこで、トランス活性化を仲介する細胞性因子の検索が行われた。まずp40^<tax>の標的配列であるHTLVーI LTR内の21塩基配列に直接結合する細胞性因子のcDNAクローニングが行われ、癌研で3種、癌センターで5種の遺伝子が同定された。これらの蛋白は、ロイシンジッパー及び塩基性領域を持ち、DNA結合蛋白に特徴的構造を持っていた。また、p40^<tax>と結合する細胞性因子が検索され、抗p40^<tax>抗体を用いた免疫沈降法によりp40^<tax>と特異的に共沈する2種の蛋白(p60、p95)が同定された。p60は一部アミノ酸配列が決定され、遺伝子クローニングが試みられている(東北大、医)。他方、家兎を用いたin vivo感染実験系において、HTLVーI抗体陽性ヒトIgG投与によるHTLVーI感染防御効果が明らかにされた。家兎にHTLVーI陽性血液を注入するとHTLVーI感染が成立するが、注入後24時間以内にヒト抗HTLVーI IgG抗体を投与することによって感染を完全に防御することができた。これらの結果から、ヒト抗HTLVーI IgG抗体が感染初期には有効な防御手段と成り得るものと考えられる。
|