研究課題/領域番号 |
01010013
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
白木 和子 東京大学, 医科学研究所, 助手 (40012744)
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研究分担者 |
野村 信夫 日本医科大学, 桜木校舎, 助教授 (20147862)
野田 亮 理科学研究所, 研究員 (30146708)
竹家 達夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (60112330)
竹縄 忠臣 東京都老人総合研究所, 部長 (40101315)
口野 嘉幸 国立がんセンター研究所, 部長 (60124418)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
21,600千円 (直接経費: 21,600千円)
1989年度: 21,600千円 (直接経費: 21,600千円)
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キーワード | レトロウイルス / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / 癌関連遺伝子の探索 / チロシンキナーゼ / ロイシンジッパー / シグナル伝達系 |
研究概要 |
本研究班は細胞のがん化及びその抑制に関与する新規遺伝子の探索とその機能の解析を目的として、昭和63年度から研究を開始した。今年度の注目される成果は(1)河井らが行った鶏自然発生腫瘍からの新しい腫瘍ウイルスの分離。このウイルスの感染によって鶏に筋腱膜繊維腫が生じることが明かにされ、その腫瘍形成の原因遺伝子としてvーmafが同定され、単離された。maf遺伝子はロイシンジッパー構造をもつDNA結合たんぱく質をコードする遺伝子で、ヒト細胞にも類似の遺伝子が含まれており、ヒトがんの発症のメカニズム解明に貢献できるものと期待される。(2)口野らによるラットからのがん抑制能をもつ新規myc関連遺伝子、sーmycの単離。この遺伝子はNーmyc遺伝子に高い構造類似性をもっており、ラットの神経腫瘍細胞に対してがん抑制効果を発揮する。野田らが昨年単離に成功したKrevl遺伝子の発現によるがん抑制機構との対応関係等、がん抑制のメカニズムが検討されている。野田らは昨年に引続きKrevl遺伝子の機能領域の確認を行っており、Hーras遺伝子との生物活性の本質的な違いがどこにあるのかを検討している。(3)鶏細胞からはチロキンナーゼ活性をもつマウス増殖因子レセプターbekの遺伝子に類似した遺伝子の分離やラット細胞からsrcと相同性の高い領域をもつ新しいホスホリパーゼCのcDNAおよび蛋白質の単離、精製。これらの研究によりチロシンキナーゼによるリン酸化や、イノシトールリン脂質の代謝を介したシグナル伝達のメカニズムに新しいpasswayのあることが示唆された(竹家、竹縄)。このほかにjunやfosの関連遺伝子の探索(野村)、vーsrcの機能分析(竹家、根本、白木)、retがん遺伝子の構造、機能分析(高橋、石坂)も進められており、細胞のがん化、分化、増殖に関し詳細な情報が得られると思われる。
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