研究課題/領域番号 |
01010027
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
喜納 勇 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60010211)
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研究分担者 |
寺田 雅昭 国立がんセンター研究所, 副所長 (10124421)
田原 栄一 広島大学, 医学部, 教授 (00033986)
廣田 映五 国立がんセンター研究所, 室長 (50124425)
中村 恭一 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (70110492)
菅野 晴夫 癌研究会癌研究所, 所長 (10085615)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
1989年度: 15,000千円 (直接経費: 15,000千円)
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キーワード | 胃癌 / 未分化癌 / 分化癌 / 病理 / 癌遺伝子 / 増殖因子 / 胆汁 / DNA |
研究概要 |
1.胃癌における増殖因子 スキルス胃癌(未分化型癌)から樹立されたKATO-III株細胞から増幅している遺伝子としてKーsam遺伝子を分離しその遺伝子のcDNAの塩基配列を決定し、チロシンキナーゼ活性を有する新しい受容体をコードすることが明らかとなった。さらに、Kーsam cDNAを用いてヒトteratocarcinoma細胞のcDNAライブラリーからKーsamに相同性のあるNーsam遺伝子を分離した。これはヒトbFGF受容体をコードする遺伝子である可能性が高い。 胃癌由来TMKー1はEGF受容体、9A3抗原、Eーカドヘリンを発現しているが、そのうちEーカドヘリンが接着因子の主たるものであることがわかった。更に、EGF受容体の局在性をレーザー顕微鏡で調ベると、Eーカドヘリンの局在とよく一致していた。EGF受容体と接着因子は一つの調節機構として重要であると考えられた。 2.胆汁による胃癌の発生 空腸切断術の後、空腸のoral断端を盲端とし、anal断端を胃体部に吻合し、胆汁を含む十二指腸液が幽門部から胃に逆流する状態で動物を飼育すれば幽門輪の部分に、多発性に、腺腫性病変を100%、腺癌を43%に作ることができた。この実験から、胆汁の逆流で胃癌が発生することが示された。 3.臨床病理学的事項 早期胃癌744例を分化型(D)と未分化型(U)とに二大別した。50才代胃癌では1920年代出生群には他群にみられない識徴ー即ち高D/U比(3.8)が認められた。同じ50才代でも1920年代出生の胃癌は高分化型が特に多かった。この事実から、若年時の生活環境に特殊性を考慮する必要があるものと考えられた。
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