研究課題/領域番号 |
01010029
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 嘉明 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80004612)
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研究分担者 |
石井 俊輔 理化学研究所, 分子遺伝研, 主任研究員 (00124785)
角川 曜子 国立がんセンター, 分子腫瘍学部, 研究員 (50172044)
安本 茂 神奈川県立がんセンター, 分子腫瘍研, 室長 (00112342)
石橋 正英 愛知県立がんセンター, ウイルス部, 部長 (70029776)
藤永 惠 札幌医科大学, がん研究所, 教授 (10045338)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
17,600千円 (直接経費: 17,600千円)
1989年度: 17,600千円 (直接経費: 17,600千円)
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キーワード | ヒトパピローマウイルス / E6遺伝子 / E7遺伝子 / トランスアクチベーション / 網膜芽細胞腫感受性(RB)遺伝子 / 転写制御因子 / 複製制御因子 / DNA型腫瘍ウイルス |
研究概要 |
ヒトパピローマウイルスによる発がん機構をトランスアクチベーションの立場から解明する目的で研究を進めている。子宮頚がんの病因と考えられるHPV16に関してはE6、E7遺伝子が主たる発がん遺伝子である事はすでに昨年報告したが、大腸菌にて産生させたE6たんぱくがDNAに非特異的に結合する事が判明した(角川)。E6に細胞分化を阻害する作用のある事、E7に染色体重複を誘導する作用のある事の予備的観察がなされ今後の発展が待たれる(安本)。E7はアデノウイルスE1Aと構造も機能も似ていると報告されているが、両者共通にトランスアクチべートできるのは調べた範囲内ではアデノウイルスE2プロモーターのみでE7は他のすべてをトランスリプレスした。しかも発がん性のないHPV1のE7が発がん性のあるHPV16のそれより強力な作用を待つので、トランスアクチべーション、トランスリプレッションは発がん機構とあまり強く関連しているとは考えにくい(伊藤)。それにかわって注目すべき事はがん抑制遺伝子産物である網膜芽細胞腫感受性遺伝子(RB)産物とE7蛋白及び同じくP53とE6蛋白との結合であろう。このRB蛋白が細胞の分化を誘導すると低リン酸化型になり、逆に増殖中の細胞では高リン酸化型になる事が観察され、RB蛋白のE7蛋白との結合と発がんの関係がきわめて興味深い研究のテーマとなって来た(秋山、瀬川)。皮膚に悪性病変を起すHPV47はHPV16の場合と異なりE6たんぱくに株化したラット線維芽細胞をトランスフォームする能力のある事が判明し今後の進展が興味深い(石橋)。アデノウイルス複製起点内にプロモーター活性のある事が判明した(永田、藤永)。CAMPに反応するCREーBP1のクローンが単離された(石井)。ポリオーマウイルス・エンハンサー結合因子PEBP3とPEBP4とのDNAへの〓〓的結合が実証された(佐竹)。
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