研究課題/領域番号 |
01010031
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
武部 啓 京都大学, 医学部, 教授 (10028318)
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研究分担者 |
笹月 健彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50014121)
佐々木 正夫 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (20013857)
池永 満生 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (70025378)
塚田 俊彦 京都大学, 医学部, 助手 (10207334)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
21,100千円 (直接経費: 21,100千円)
1989年度: 21,100千円 (直接経費: 21,100千円)
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キーワード | 色素性乾皮症 / ブルーム症候群 / 遺伝 / DNA修復 |
研究概要 |
本年度の研究でもっとも成果が挙ったのは、高発がん性遺伝病である色素性乾皮症の遺伝子の解析であった。まず田中常代次班員はマウスから色素乾皮症患者由来の細胞に遺伝子を導入することによって、紫外線高感受性が正常にもどることを見出し、その遺伝子のクローニングに成功した。これは長年の世界中の研究競争の中で最初の成功例であった。色素性乾皮症には相補性群がAからHまで8群あり、田中のクローニングしたのはA群遺伝子である。その後オランダでB群のクローニングも成功した。塚田俊彦班員は下群の遺伝子のクローニングに着手し、中間段階まで到達している。A群遺伝子であるXPACは、ひきつづきマウスとヒトの相同性から、ヒトでもクローニングでき、吉田廸弘班員の協力により、ヒトの第9染色体、マウスの第4染色体上に位置することがわかった。山泉克班員は、酵素分子の微量注入法で色素性乾皮症A群遺伝子の生産する修復酵素の精製に成功した。現在、田中班員の遺伝子の大きさから検定した分子量と、山泉班員の精製した分子の分子量のくい違いを検討している。 研究代表者は、色素性乾皮症、ブルーム症候群など高発がん性遺伝病の患者の日本および世界における分布とその遺伝子構成の解析を、国際共同研究と平行して進めた。これまでに、日本、欧米に加え、中国、チユニジアの色素性乾皮症の遺伝子構成を明らかにした。ブルーム症候群は、日本人で11例の確定例を確認した。 ヒトのDNA損傷の修復の欠損と発がんの研究は、この他にアルモル化剤修復機能(Mer)について大腸菌とヒト細胞の類似点が明らかになった(池永満生班員)。どの遺伝子が、発がんに関与しているかは、佐々木正夫班員、押林光雄班員、児玉靖司班員らが、主に染色体の解析と、遺伝子欠損の解析から着実にデータを蓄積しつつある。
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