研究課題/領域番号 |
01010034
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 正治 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (00026931)
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研究分担者 |
安藤 興一 放射線医学総合研究所, 臨床研究部, 室長 (00159526)
新部 英男 群馬大学, 医学部, 助教授 (90008293)
稲山 誠一 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (30051030)
母里 知之 東海大学, 医学部, 教授 (70055896)
坂本 澄彦 東北大学, 医学部, 教授 (20014029)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
1989年度: 15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
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キーワード | 生物学的応答修飾物質 / BRM / 放射線治療 / 併用治療 / 低酸素性細胞 / 放射線増感剤 / 放射線効果増強 / 放射線障害防護、回復 |
研究概要 |
放射線治療にBRMを併用する意義について生物学的に評価し、また化学的に解析した。 1)移植腫瘍の局所照射単独とBRM併用の治療効果について、局所制御率(TCD_<50>)、腫瘍成長(容積、重量)遅延時間から求めた等効果線量を検討した結果、線量修飾値(DMF)はOKー432,MKー1では1.2〜1.4が得られた。MCXー912併用でも、高線量域では1.2〜1.4であるが、低線量域では2.0に達し、多分割照射(1回低線量)に併用することの有用性が示唆された。SPG,PSKでも成長遅延が有意に認められた。また、SPGにILー2を併用することによって、さらに大きな効果が得られた。低酸素性細胞放射線増感剤KUー2285を併用すると、DMFは1.8であったが、これにさらにMCXー912を併用すると、DMFは2.0に修飾された。なお、増感剤にBRMを併用して治療効果を高めることも、本研究の目的のひとつであるが、増感剤の生体防禦に係わる免疫機構の障害を検討した結果、L3T4,Lytー2,GA1などのマウス末梢血リンパ球サブセットには影響を与えなかった;2)Lewes肺癌の皮下移植後、早期および進行期に局所照射し、肺転移数を検討した結果、SPGを併用することによって転移は有意に抑制された。しかし、生存率には有意差が認められなかった;3)局所照射後の腫瘍組織はOKー432,SPGの併用で、helper/inducer T,suppressor/cytotoxic Tの浸潤が著明であった;4)マウス全身照射後の造血系に対する防護、回復効果を検討した結果、GーCSFは末梢血顆粒球を、NMFは内因性脾コロニー形成を有意に増加させ、回復、防護効果を認めた;5)MCXー912は58%が有機成分で、その72%は21種類からなる蛋白と、12%の糖分であることが分かった。また、増感剤とNMFの各々の有効成分を結合させた物質(KINー806)が合成され、現在、照射に併用した場合の生物学的効果を検討中である。
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