研究課題/領域番号 |
01010037
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
森 武貞 大阪大学, 医学部, 教授 (60028496)
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研究分担者 |
加藤 洋 癌研究所, 病理部, 主任研究員 (20010473)
喜納 勇 浜松医科大学, 教授 (60010211)
藤田 哲也 京都府立医科大学, 教授 (00079716)
佐藤 栄一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (60004579)
広橋 説雄 国立がんセンター, 病理部, 室長 (70129625)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
1989年度: 14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
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キーワード | 大腸癌 / 大腸腺腫 / 背景粘膜 / allelic loss / 癌遺伝子 / DNA ploidy / 増殖帯 / UEAー1レセプター |
研究概要 |
1.染色体異常の研究 最近、Vogelsteinらのグループによって、ヒト大腸癌の発生には第5染色体上の異常(腺腫の原因遺伝子)に加えて第17.18番染色体上の特定部位の欠失が必要であるという仮説が出され、注目されている。本研究班でもVNTRマーカーであるpYNZ22などを用いて、日本人大腸癌でも同様の結果をえている。 2.癌遺伝子(産物)の研究 ホルマリン固定パラフィン切片からDNAを抽出し、cーerb Bー2、cーmyc、intー2などのコピー数を調べたが、ヒト大腸癌ではrasとerb B以外に増幅しているものはなかった。また、PCR法によりcーkーras遺伝子の点突然変異が高率(4/10例)に証明された。cーmycーp、hstーpに対する特異抗体を作製し、ラット実験大腸癌の発生過程におけるmycーp、hstーpの発現を調べたところ、初期の小隆起病変に両者が検出されている。 3.DNA ploidyの研究 潰瘍性大腸炎の長期観察例(83例)からえた生検材料の核DNA量の測定をおこなった。中に癌2例、高度dysplasiaまた3例がみつかったが、いづれもaneuploidパターンを示し、そのパターン変化はdysplasiaの程度とよく相関した。また、粘膜内癌より粘膜下層またはそれ以上に浸潤した癌にaneuploidの頻度が高いことも明らかになった。 4.その他の研究 Ex vivo autoradiographyを用した研究から、大腸腺腫や癌の発生に先行して腺管における増殖帯の拡大が見られるとの説は否定された。 UEAレクチンに対するレセプターに特異行に反応するモノクローナル抗体を作製し、UEAレセプターが大腸癌で高率に発現していることを確認した。
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