研究課題/領域番号 |
01010039
|
研究種目 |
がん特別研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北川 勲 大阪大学, 薬学部, 教授 (20028830)
|
研究分担者 |
伏谷 伸宏 東京大学, 農学部, 助教授 (70012010)
佐々木 琢磨 金沢大学, がん研究所, 教授 (90109976)
神谷 久男 北里大学, 水産学部, 教授 (80011964)
古森 撤哉 九州大学, 薬学部, 教授 (80037572)
柿澤 寛 築波大学, 化学系, 教授 (50015492)
|
研究期間 (年度) |
1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
1989年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
|
キーワード | 海洋生物 / 抗腫瘍性物質 / 癌細胞増殖抑制 / 受精卵卵割阻害 / 海洋天然物質 / 癌化学療法 / 生物活性物質 / サンゴ礁生物 |
研究概要 |
海洋生物は特異な環境に生息し、適応するため、進化の過程において陸上生物とは異なる代謝系あるいは生態防御系を発達させてきたと考えられる。したがって、海洋生物が生産する二次代謝物の中から、陸上生物由来の天然物質にはみられない新しい骨格を待ち、強力な抗腫瘍活性を示す癌化学療法剤開発のリード化合物が見出される可能性がきわめて大きい。 本研究において、沖縄サンゴ礁域、薩南諸島、紀伊半島をはじめ日本各地沿岸で採集した海綿類、腔腸動物、ホヤ類、棘皮動物、海洋微生物など種々の海洋生物の試料について新規抗腫瘍性物質の探索を行なった。抗腫瘍活性物探索の予備スクリーニングとして、ウニおよびヒトデ受精卵卵割阻害効果や癌細胞増殖阻害効果をin vitroで迅速に検討し、有効な物質はさらに実験腫瘍やヒト腫瘍細胞を用いてin vivoで検討している。その結果以下のように、多彩な化学構造を有する種々の新規抗腫瘍性物質〔海綿類……ダイメリックマクロリド(スウィンホリドA)、含トリオキサゾール環マクロリド(ミカロリド類)、含ピペリジン環アルカロイド(ハリクラミン類)、含ピリジン環アルカロイド(テオネラディン類)、グアニジンアルカロイド(プチロミカリンA)、含シアノジテルペノイド(カリヒネン):イソギンチャク……セスキテルペンパーオキシド類:ホヤ、ホタテガイ……宿主仲介性の抗腫瘍性プロテオグルカン:ナマコ類……トリテルペンオリゴ配糖体:海洋微生物……マクロリド(アンフィジノリドD)〕などを見出している。今後、顕著な活性を示す抗腫瘍活性物質については、さらに作用とその作用機序について詳細に調べるとともに、構造活性相関の観点から、化学修飾および化学合成を検討する。また、引き続いて海洋生物由来の新規抗腫瘍性物質の探索を継続する。
|