研究課題/領域番号 |
01010045
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
渡邊 武 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (40028684)
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研究分担者 |
湊 長博 自治医科大学, 医学部, 講師 (40137716)
西川 伸一 熊本大学, 医学部, 教授 (60127115)
烏山 一 東京大学, 医学部, 助手 (60195013)
高津 聖志 熊本大学, 医学部, 教授 (10107055)
菅村 和夫 東北大学, 医学部, 教授 (20117360)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
1989年度: 11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
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キーワード | IL2受容体 / IL5受容体 / シグナル伝達 / T細胞抗原レセプター遺伝子 / オートクリン機構 / ストロマ細胞 / 遺伝子発現調節 / リンパ球の分化 |
研究概要 |
本年度の成果は以下の如くである。 (1)IL2受容体からのシグナル伝達機構に関して、IL2依存性ヒトT細胞株からTPA依存性ならびにCT依存性変異株を樹立し、これらの細胞を用いてIL2依存性増殖シグナル伝達機構においてCキナーゼ、Aキナーゼの関与しない伝達機構の可能性を示した。またヒトIL2Rβ鎖に対するマウス単クロン抗体を作製し、高親和性IL2Rの解析を促進した。(2)IL5受容体高発現細胞株を樹立し、IL5受容体に対する単クロン抗体を作製した。低親和性IL5レセプター(分子量約4.65万)に新たに同定された分子量12万の附加分子が関与することにより高親和性レセプターを形成する可能性を示した。また分子量約6万のIL5結合分子に対する単クロン抗体を作製した。現在IL5レセプターをコードするcDNAをクローニング中である。(3)IL6cDNAをマウスB細胞株に発現ベクターを用いて導入し、IL6を持続的に分泌し、IL6依存性に増殖する(オートクリン)B細胞株を樹立した。このオートクリン機序によって増殖する細胞株を同系マウス及びヌードマウスに接種し、強い造腫瘍性を有することを示した。(4)LGL(NK/T)細胞株を確立し、各発生段階におけるLGLについてT細胞レセプター遺伝子等の発現状況を調べた。ヒトIL2トランスジェニックマウスにおいて強いNK活性を示すLGLが選択的に肺、脾臓等の諸臓器および末梢血中において増加することを明らかにした。またIL3/IL2の組合せでは胸腺外でのT細胞型コミットメントが、IL7/IL2の組合せでは胸腺内において選択的な細胞増殖が誘導されることを示した。(5)骨髄ストロマ細胞のB細胞増殖支持能がIL7の産生能と密接に連携していることを示した。ストロマ細胞の増殖因子産生誘導に血液細胞との相互作用が必要であることを明らかにした。(6)ヒトH鎖エンハンサー内に新たなB細胞特異的に機能し得るDNAエレメントを同定した。新たに同定されたエレメントは、それ単独でB細胞特異的な遺伝子発現を誘導することを示した。このDNAエレメントの機能とB細胞分化との関連を解析した。また同エレメントに結合する核蛋白がB細胞に存在することを示した。
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