研究課題/領域番号 |
01010054
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
谷内 昭 札幌医科大学, 医学部, 教授 (50045324)
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研究分担者 |
今井 浩三 札幌医科大学, 医学部, 講師 (60117603)
葛巻 暹 北海道大学, 医学部, 教授 (80091445)
森 武貞 大阪大学, 医学部, 教授 (60028496)
西 信三 北海道大学, 医学部, 教授 (20001894)
松岡 雄治 福岡大学, 医学部, 教授 (70078773)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
1989年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
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キーワード | CEA遺伝子 / NCA / BGP1 / AFP / ras / 分子生物学 |
研究概要 |
分子生物学的手法により、CEA遺伝子ファミリーの解析に大きな進展がみられた。上皮組織では1種類と考えられていたNCAmRNAが、顆粒球において複数のサブファミリーを有することが明らかにされつつある。またBGP1についても少くとも4種のisoformが存在し、それらの組織あるいは腫瘍特異的発現の有無を今後検討する必要がある。一方ムチン抗原に関しても、免疫化学的解析に加え、コア蛋白の構造が明らかになりつつあり、糖鎖、タンパクおよびmRNAのそれぞれのレベルでの検討が可能になってきた。腫瘍におけるこのような検討は、ムチン抗原分子の腫瘍マーカーとしての新しい意義を明らかにする可能性がある。AFPについてもリコンビナントAFPを用いてその生化学的機能の解析が可能となった。 診断面への応用として、ras癌遺伝子が肝硬変および肝癌への進展に重要な役割を担うことが示唆され、前癌病変としての肝硬変症において、癌化のポテンシャルを予測するマーカーとなり得る可能性も考えられる。また、トランスフェリンの解析を通じて、各種臓器癌に特異的あるいは普遍的に出現増大する糖タンパク質の糖鎖を感度良く定量できることが示され、臨床応用が試みられつつある。 治療への応用として、PST1のvariantあるいはモノクローナル抗体の作製が可能となれば、モデル実験を通して具体的な検討が開始されよう。リコンビナント・ヒトーマウスキメラ抗体やリコンビナント・ヒト型モノクローナル抗体の作製が容易になり、いくつかの消化器癌関連抗原に対するものが確立された。これらの中にはADCC等の強い生物活性を示すものが認められ、今後治療への応用が可能となると思われる。
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