研究課題/領域番号 |
01010071
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
塚越 茂 癌研究会, 癌化学療法センター, 副所長 (60085644)
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研究分担者 |
加藤 哲郎 秋田大学, 医学部・泌尿器科, 助教授 (40004642)
山田 龍作 和歌山県立医科大学, 教授 (90047085)
石塚 雅章 微生物化学研究会, 化学療法研究所, 副所長 (80159722)
田代 田鶴子 癌研究会癌化学療法センター, 研究員 (20085608)
西條 長宏 国立がんセンター研究所, 薬効試験部, 部長
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研究期間 (年度) |
1987 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
1989年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
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キーワード | がん化学療法 / 抗がん剤選択的とりこみ / 塞栓療法 / マイクロカプセル / 封入抗がん剤 / シスプラチン耐性 |
研究概要 |
(1)抗癌剤の腫瘍局所到達性の改善:抗癌剤の腫瘍到達性を改善し効果の向上を試みてきた。既にmitomycin Cーdextran結合体が腫瘍局所に長く滞まることを見出しており本年度は糖蛋白質の糖鎖に対する認識機構を利用した腫瘍特異的抗癌物質の開発を企画しこれまで高分子物質に糖鎖を導入する技術を確立した(橋田)。一方、抗癌剤封入マイクロカプセルの選択的動脈内注入する方式が種々の癌病巣を対象に適用可能であり安全性も高いことが判ってきた。又本法施行後の患者の予後の改善に免疫学的因子も関与している可能性が示唆された(加藤)。抗癌剤併用肝動脈塞栓療法(TAE)も原発性肝細胞癌及び転移性肝癌に対する保存的療法として普及してきたので、この時に用いる位置付けからさらに詳細に検討してきた。その結果TAE法は併用抗癌剤を腫瘍に選択的に停滞し作用させる新しいDDSとしての性格を持つことが判った(山田)。(2)腫瘍増殖部位による治療効果の修飾:リンパ節に選択的に転移するラット線維肉腫を用い、その特異的蛋白質を見出した。高リンパ節転移クローンAの転移を左右する蛋白質か否かにつき検討を進めている他、このクローンに対する単クローン抗体も作成中である(西條)。一方、抗生物質のdeoxyspergualin(DSG)は直接腹腟内滲出細胞に作用させた時腫瘍の増殖阻止活性を誘導しないことからこの抗癌性抗生物質の作用はこれ以外の作用の仲介に依ると考えてきた。本年度はDSGがリンホカイン産生の誘導又は増強に作用して抗腫瘍静を発現し又腫瘍免疫形成に向うことが判ってきた(石塚)。(3)腫瘍の薬剤耐性と効果の修飾:臨床上有用な白金錯体cDDPの耐性機序につき耐性腫瘍のDNA修復能について検討してきたが耐性株では感受性株よりやや高かった。更に検討を続ける(田代)。カンプトテシン誘導体、CPTー11、の耐性発現にはトポイソメラーゼ活性の低下が関連しているらしいことが判った(西條)。
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