研究課題/領域番号 |
01010077
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三輪 正直 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (20012750)
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研究分担者 |
田沼 靖一 帝京大学, 薬学部, 助手 (10142449)
石川 隆俊 癌研, 実験病理部, 部長 (30085633)
下山 誠 島根医科大学, 教授 (30084859)
静田 裕 高知医科大学, 教授 (50025631)
上田 国寛 京都大学, 医学部, 助教授 (00027070)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
17,600千円 (直接経費: 17,600千円)
1989年度: 17,600千円 (直接経費: 17,600千円)
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キーワード | ポリADPーリボース / ポリADPーリボース合成酵素 / ポリADPーリボシル化 / モノADPーリボシル化 / モノADPーリボシル化酵素 / 情報伝達 / Gータンパク質 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
以下の研究実績を得た。 1.ポリADPーリボース合成酵素の遺伝子発現に関与するプロモーター領域の構造から、遺伝子の発現には種々の転写促進因子によって調節されることが示唆された。事実、cyclic AMPとPhorbol esterによってこのmRNA量が増加することが判明した。 2.強力な肝発がん物質のジメチルニトロサミンを投与したラットの肝臓では我々の開発になるポリADPーリボースの高感度の測定により、ポリADPーリボース量の著減がみられた。一方、肝発がん性が知られていない4ーハイドロオキシアミノキノリンではレベルに変化がなかった。 3.ニワトリ及びヒトの末梢好中球にアルギニン残基を特異的にモノADPーリボシル化する酵素活性が高いことを見出した。また、細胞膜においての情報伝達に関するGータンパク質をモノADPーリボシル化する細胞内在性の酵素を見出した。 本研究班は、DNA修復、細胞分化、増殖、がん化におけるADPーリボシル化の関与を阻害剤の使用だけでなくより直接的な形で示し、ADPーリボシル化の制御を通して発がんを調節することを目指している。すでにポリADPーリボシル化酵素のcDNAは単離し、遺伝子構造も明らかになりつつある。ポリADPーリボース合成酵素の欠損と同時に増殖に関して温度感受性の細胞株を昨年度単離しているので、cDNAの導入発現により形質が元にもどるかを検討できるようになった。一方、生体内のポリADPーリボース量を直接的に検出する高感度の免疫組織学的方法により肝臓発がん物質を投与したラット肝内のポリADPーリボースの量の変動を見ることに成功した。またモノADPーリボシル化反応は、生体膜での情報伝達に与ることが明らかになりつつあり、発がんとの接点も近い将来明らかになると考えられる。
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