研究課題/領域番号 |
01015002
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
及川 恒之 北海道大学, 医学部, 助手 (80150241)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
1989年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | がん / cーmycがん遺伝子 / マウス形質細胞腫 / 細胞融合 / 雑種細胞 / 遺伝子発現 / 組織特異性 |
研究概要 |
マウス形質細胞腫に正常線維芽細胞を融合すると免疫グロブリン遺伝子と再編成したcーmycの発現が抑制され、同時に癌形質も抑制される。この再編成cーmyc発現抑制と癌形質の抑制との関連性を知るため、上記の雑種細胞にpMOLTRーmyc、EJーrasをトランスフェクトした。その結果、雑種細胞にcーmycをトランスフェクトしても癌形質は抑制されたままだったが、活性化Hーrasをトランスフェクトすると再癌化した。このことから、マウス形質細胞腫と正常線維芽細胞との雑種細胞における再編成cーmycの発現抑制と癌形質の抑制とは独立した現象であり、活性化Hーrasは正常線維芽細胞による癌形質の抑制を解除することが示唆された。一方、再編成cーmyc発現に関与する蛋白因子同定のシステムを作るため、赤血球ゴースト法による該蛋白の抽入を試みたが、再編成cーmycの発現レベルを動かすまでには至らず、この方面からの再編成cーmyc発現にポジティブ、ネガティブに働く因子の同定は断念せざるをえなかった。そこで、雑種細胞における該蛋白の変化を調べるため、polyomoエンハンサー、免疫グロブリンCalpha領域に類似配列のあるoctamer配列に対し、gel shift assayを行った。その結果、polyomaエンハンサーに対する結合パターンは造血系と線維芽細胞系で異なるが、雑種細胞では両親細胞の和にならず、線維芽細胞のパターンになっていた。また、octamer配列に対する結合パターンは、雑種細胞ではOTFー1(Octー1)は消えないが、OTFー2(Octー2)が消失する予備的結果を得た。従って、雑種細胞は組織特異的転写因子あるいはDNA結合蛋白のトランスの制御を解析できる系として有効と思われた。予定より遅れたが、現在、EMBLー3に再編成cーmycをクローニングしたので、この再編成cーmyc(calpha領域)への該蛋白結合パターンを両親細胞と雑種細胞を比較検討している。
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