研究課題/領域番号 |
01015027
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
湯浅 保仁 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80111558)
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研究分担者 |
岩間 毅夫 東京医科歯科大学, 医学部, 助教授 (70114741)
加藤 美和子 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (40192538)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
1989年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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キーワード | 家族性大腸腺腫症 / がん遺伝子 / がん抑制遺伝子 / 染色体 |
研究概要 |
1.ヒト5番染色体を微小核融合法によりDT細胞(Kーrasがん遺伝子によってがん化した細胞)に導入すると腫瘍原性が低下した。故に、5番染色体にがん抑制遺伝子が存在することが示唆された。腫瘍原性が低下したクローンでは、いずれも5番染色体に存在する“FAP(家族性大腸腺腫症)領域″付近のDNAプローブが陽性だったので、FAP遺伝子が抑制遺伝子である可能性が示唆された。次に、ヒト5番染色体DNAをトランスフェクション法によりDT細胞に導入すると、Alu陽性のフラットリバータントが得られた。第2回トランスフェクションによるフラットリバータントでも、Alu陽性のクローンが1個得られたので、現在この遺伝子をクローニング中である。 2.FAP患者細胞DNAをNIH3T3細胞にトランスフェクションした後、ヌードマウスに移植する方法で2例の新しいがん遺伝子を検出した。このうちの1例につきAluをプローブとして部分的にクローニングを行った。さらにノーザンブロット解析によりこのがん遺伝子から2.3kbと1.8kbの2種のRNAができることがわかった。 3.ヒト大腸がんでは高率にKーras遺伝子の点突然変異が検出されている。培養ヒト大腸がん細胞及びがん摘出検体を用いて、ras遺伝子の機能に重要な役割を果たすと考えられるras周辺のタンパク質及びそれらの遺伝子について解析を行った。rasのGTPase活性に関与する因子として知られるGAP(GTPaseーactivating protein)にたいするcDNAをプローブとしてがん摘出検体のDNAを調べたところ、遺伝子再配列と考えられる異常が検出された。また、ホスホリパーゼCについては、ある種のアイソザイムについて高いRNAレベルの発現がみとめられ、これらrasタンパク質を介する情報伝達系が大腸がんの発がん機構に関与している可能性が示唆された。
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