研究課題/領域番号 |
01015046
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研究種目 |
がん特別研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中尾 一和 京都大学, 医学部, 助手 (00172263)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1989年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
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キーワード | がん遺伝子 / 細胞増殖 / ナトリウム利尿ペプチド / アンギオテンシン / 受容体 / プロティンキナーゼ / グアニル酸シクラーゼ / サイクリックGMP |
研究概要 |
細胞増殖制限因子としての生理活性ペプチドの意義を探る目的で、新しいナトリウム利尿ペプチドの単離、構造決定、レセプターに対するモノクローナル抗体の開発、それを用いた受容体cDNAのクローニングによる構造決定を試みた。新しいナトリウム利尿ペプチドの単離・構造決定:ラット心房及びヒト心房組織より、BNPを単離し、構造決定に成功した。決定した一次構造はrat BNP:S-Q-D-SーAーFーRーIーQーEーRーLーR-N-S-K-M-A-H-S-S-S-C-F-G-Q-K-I-D-R-I-G-A-V-S-R-L-G-C-D-G-L-R-L-Fの45アミノ酸残基、human BNP:SーPーKーMーVーQーGーSーGーCーFーGーRーKーMーDーRーIーSーSーSーSーGーLーGーCーKーVーLーRーRーHの32アミノ酸残基よりなり、基本構造は似ているものの、26アミノ酸と32アミノ酸の2種類よりなるporcine BNP、35アミノ酸よりなるbovine BNPと比較しても、多様な分子型を有することが明らかになった。受容体の多様性:我々はウシの肺より精製した受容体に対する12種類のモノクローナル抗体の開発に成功したが、このうちの4種はウシのみならずヒト、ラットの受容体とも結合することが明らかになった。さらに、これらの受容体抗体はdimerとして存在するC受容体に特異的であることが明らかになった。現在、このモノクローナル抗体を用いて、ラットC受容体のcDNAのクローニングを行なっている。また、これらのモノクローナル抗体を用いた免疫沈降反応と合成リガンドを用いた結合実験により、肺、腎、副腎を対象として受容体の組み合わせを検討したが、著しい組織差が存在することが明らかになった。ラットの肺ではB受容体27%C受容体73%、腎ではB受容体7%C受容体93%、副腎ではB受容体93%C受容体7%と標的臓器により受容体の組成が著しく異なることを明らかにした。
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